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犬の会陰ヘルニアを手術しないで維持する記録(膀胱脱)【メス・パピヨン17歳】

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オシッコ出ない&圧迫排尿したら下腹部に膀胱が見つからず、お尻の下を絞ったらジャンジャン排尿したチヨ(パピヨン17歳)。

オシッコ出たー!良かった良かった♪

と一度はホッとしたものの、何度か圧迫排尿をするうちに

これ、どう考えても膀胱だよな…?お尻に膀胱…?

と、モヤモヤし始めた私。

オシッコは出るけど、このまま絞り続けて良いのかも不安で、3日後の再診を待たず急遽受診しました。

だってネットで調べたら、「ヘルニアから膀胱が出た場合は緊急手術」とか「即命にかかわる」とか書いてあるんだもん…。

土曜日の一番乗りで病院に行き、担当の獣医さんに一通り説明してから圧迫排尿の動画を見せて、

お尻に膀胱があると思うんです…

と訴えると、チヨちゃんのお尻を摘んだ獣医さんは

獣医さん

これは…本当だ

と驚いていました。

チヨの病名は、「会陰ヘルニア

お尻のヘルニアから膀胱が飛び出していました。

目次

犬の会陰ヘルニアについて

犬の会陰ヘルニアは、未去勢のオス犬がかかりやすい疾患で、男性ホルモンの影響で会陰(お尻周辺)の筋肉が委縮して出来た隙間から腸管や膀胱が飛び出してしまう状態のこと。
多くは腸が飛び出して排便が困難になるそうです。

チヨの様にメス犬で膀胱が飛び出すというのはとても珍しいことで、「オシッコが出ない」と受診したところでまず疑わない疾患なのだとか。

最近担当の先生とタイミングが合わず、一連のチヨのオシッコ騒動は他の先生に診察していただいていましたが、どの先生も「チヨちゃんはどうしたんだ」と首を傾げていたそうです。

チヨの場合は老化と共に筋肉が衰えたことと、半年ほど前から腰の神経疾患で後ろ足が不自由になり以前のように自分でチャカチャカ動き回る事が出来なくなり、更に筋肉が減ってしまったことが原因のひとつと考えられます。

会陰ヘルニアで膀胱が脱出した時の症状

チヨの場合、半月ほど前から「トイレに行くけどやっぱりやめた」という姿が時々見られていました。

だけどそれは単純に、お昼寝から起きたらとりあえずトイレみたいな日々の流れもあるので、トイレに行ってみたけど溜まってなかったのかな?とさほど違和感のある状態ではありません。

はっきりと、「オシッコがしたいのに出ない」状態になったのは、10日程前。
超音波検査と尿検査を受けても異常なし。

トイレでものすごい踏ん張っていたので、オシッコなのかウンチなのかもはっきり分からない状態。
ウンチも一応出るし、オシッコもジャーッと出る事もあればポタポタ出ることもあったし。

2回目の診察でも超音波と尿検査を受けたものの異常なし。
後ろ足が弱っていることもあり、排尿する力そのものが弱っているのではないかと、出ない時は圧迫排尿してあげるようにと指示がありました。

そこで圧迫排尿を始めたわけですが、下腹部(赤丸の部分)を探しても膀胱が見つからず、肛門と外陰部周辺(青丸の部分)を摘んだら何やら感触もあるしオシッコも出るし。

◎圧迫排尿については以下の記事にまとめてありますので合わせてお読みください。

チヨはこの10日間、夜もほとんど寝ないでトイレトイレと騒いでいました。
ボケたのかな?と思っておだやかサプリを買ってみたほど。

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正統派の圧迫排尿とは位置が違うけど、チヨ流圧迫排尿でオシッコが出るようになってからはトイレとご飯の時間以外は老犬らしくスヤスヤと寝たり、家の中を散策したりと元の姿に戻りました。

全ての原因はオシッコが出ないことだったんですね。

チヨの膀胱の位置について、下の雑な絵をご覧ください。

本来膀胱はピンクの位置にあり、メスの場合はそのまままっすぐ外陰部に向かって尿道が伸びていますが、チヨの場合は尿道が折れ曲がって膀胱が青い位置に飛び出しています。

膀胱が空の時は見ただけでは分かりませんが、オシッコが溜まってくると肛門が左にずれ、下の写真の赤い丸の辺りが少し盛り上がってきます。
これが膀胱。

オシッコが溜まっていなくても触ればプニプニしていて分かります。

こんなところに膀胱があるので、通常通り腹圧をかけてオシッコを出そうとしても出るわけがありません。

時々ジャーッと出てたのは、溜まり過ぎてオーバーフローを起こしていただけ。
それを繰り返していたら膀胱炎になってしまいます。

こんなことが起こるとはっきりとした診断を受けないとモヤモヤしっぱなしなので、後日レントゲンと超音波による画像診断を受けてきました。

結果、直腸も出ているのではないかとのこと。
もっと雑な絵ですけど↓笑

肛門からすぐの部分に直腸が落ち窪み、排便もしづらくなる可能性があるとのことでした。

そういえばウンチが出ないのかオシッコが出ないのか分からなかった時期に摘便をしたら、普通は肛門からまっすぐにしか進めないはずが、チヨの場合肛門を入ってすぐのところで下にも進める道がありました(なんかすごい表現ですけど…笑

獣医さんに聞いたら、「それです!」とのこと。

で、チヨちゃんの会陰ヘルニア、これから治療をしていなければなりませんが、治療法は何ともかんとも…。

会陰ヘルニアの治療法

会陰ヘルニアは薬で治す事は出来ません。

治療=外科手術

飛び出した臓器を正しい位置に戻し、筋肉の隙間を塞ぐ手術が必要になります。

もしチヨが麻酔に耐えられる体・年齢ならば、会陰ヘルニアがますます悪化する前に手術を選択していたと思いますが、チヨは17歳という高齢で、気管虚脱もあり、このところ度々痰を誤嚥して死にかけているし、そもそも塞ぐにしても筋肉がないので塞ぎようもなく再発の可能性も高いため、外科手術は出来ません

ではどうするか。

老犬介護の項目をひとつ増やしましょう。

会陰ヘルニアで膀胱が脱出したメス犬のケア

獣医さんからは、

  • とにかく膀胱炎にしないこと
  • 1日最低6回は圧迫排尿で膀胱を空にする
  • 万が一膀胱だけでなく小腸まで脱出した場合(感触で分かるらしい)は即受診すること

という指示がありました。

手で膀胱を押し戻したところで膀胱が出てきてしまうほどの隙間が空いているということはまたすぐに出てきてしまうので、無理に戻すよりもこれ以上の悪化や膀胱炎などのトラブルを避ける努力をした方がよいとの事でした。

ネットで調べると膀胱が脱出したら尿毒症とか腎不全とか膀胱壊死とか恐ろしい情報だらけ。
確かにその危険性は大いにあるのでしょうが、ひとまずチヨの現状では日常の老犬介護に圧迫排尿が加わったと考えておけば良いので少し安心しました。

圧迫排尿は下の様に飛び出た膀胱を絞ってとにかく出し切ること。

画像では分かりにくいので動画も。

私としてはどうにか元に位置に戻ってくれないものかと悩ましいところですが、ひとまず今は頻回の圧迫排尿で日常のケアをしていこうと思っています。

一番気になっていた「命にかかわるかどうか」という点については、「日常生活が不自由にはなるけれど、ヘルニアを持っていても4,5年普通に過ごせる子が多い」とのこと。
チヨは今17歳なので、今さら命をかけた大手術をするよりも老化現象のひとつとして付き合っていく事が最善の選択かもしれません。

その後チヨは圧迫排尿が当たり前の生活を続け、おしっこトラブルは特になし。
とても珍しいメスの老犬の会陰ヘルニア(膀胱脱)について、同じトラブルに直面した方の参考になれば幸いです。

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