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うずらの卵の孵化は小学生でも出来る…けれどよく考えてほしい【注意点・届け出】

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並うずらを飼っています。名前はぶんじ

2015年の春、スーパーで売っている食用の卵から孵りました。

文鳥じゃないけど「ぶんちゃん」と呼びたかったので、性別が分かるまでは「ぶんちゃん」、オスだと分かってからは「ぶんじ」と呼ぶようになりました。

孵化の誕生はこんなに感動的。

誕生! 孵化したらすぐに立って歩き回る、小さくても立派なヒヨコです。

うずら
うずら

数時間経ち身体が完全に乾くと、どうですかこの見事な可愛さ。

うずら

だけど、

うずらの孵化実験をしてみたいな♪と気軽に考えている人には全力でおすすめ出来ない。
いや、したくない。

それに孵化「実験」って言い方、私は好きじゃありません。

お子さんの自由研究のテーマとして扱うこともあると思いますが、命の尊さ、大切さを知るための研究なのであれば、決して子供任せにしてはいけません。
「子供が挑戦したけれど中止卵になってしまった」「孵化したけれど弱い個体が生まれてすぐに死んでしまった」
そういった声を聞くことがあります。
弱い個体は完璧に管理された環境であっても一定数生まれるものですが、自作の孵卵器による人工孵化に関しては人間の落ち度が非常に大きい。
それを「子供の研究だから」で片づけてしまうこと、失敗を繰り返すことは、命の尊さを知るどころか命を弄び粗末にする経験を積んでいるだけなのではないかと私は思います。

我が家のうずらも子供の自由研究のテーマで取り上げました。
私(親)が行った人工孵化・飼育の方法を子供の視点でまとめ、メインは成長記録。

うずらは小さくて容易に飼育ができると思われがちですが、とても個性的な生き物。
うずらのオスはとても大きな声で鳴きます
それに気性が荒く、複数孵化した場合の飼育スペースの確保も大変。

そしてきちんと飼えば長生きします。
2015年4月に生まれたぶんじは、2023年7月に約半年間の介護の末に老衰で亡くなりました。
小学校3年生の自由研究で孵化させたうずらを8年後、高校生のお子さんが付きっきりで介護出来ますか?
孵化はゴールではなくスタートです。犬や猫を飼い始める時と同じように先々のことを想像してみて下さい。

それでもうずらに興味を持ち、一緒に暮らしたいと思った方にこそうずらの事をよく知ってほしいなと思います。
本当に飼育できるかどうか、この記事をご覧になった上でご検討ください。

目次

スーパーのうずらの卵から孵化させることについて

うずらの入手先として考えられるのは、以下の方法。

  • ペットショップで購入
  • 養鶉場で分けてもらう
  • 有精卵を購入して人工孵化させる
  • スーパーで売っている食用卵を人工孵化させる(確率は低い&何羽孵るか分からない)

テレビの企画で時々取り上げられていますが、スーパーの食品売り場で売られている卵を温めるとうずらが孵化するとかしないとか。

何を隠そうぶんじも食用の卵を温めて孵化したうずらです。

とても可愛いですが…

本当に孵化させても大丈夫ですか?

孵化をさせる前に、孵化させた後の飼育についてよく考えてみましょう。

成長したうずらの実態について、ご説明します。

うずらの飼育をおすすめできない理由

卵から育てたうずらは人馴れして本当に可愛いです。
なので敢えて言います。

確実に飼育が出来る環境がないならやめて下さい。

まず、冒頭でお伝えした通りオスは本当に大きな声で鳴きます
しかも昼夜を問わず、深夜でもふと目が覚めたら叫びます。
窓を閉めていても、外まで聞こえます。

てっとり早く、以下の大人のオスうずらの動画をご覧ください。
これで無理だと思ったらそっとこのページを閉じましょう。

昼夜問わずこの鳴き声を出されても余裕で飼える環境であれば、第一関門突破。
声量でいえば中型インコくらいですが、インコと違うのは夜中もふと目を覚ますと叫びます。

第二関門は飼育可能なスペースがあるかどうか。

大きな飼育小屋があるならともかく、室内の標準的なサイズのケージで飼育する場合、オスのうずら同士を同じケージに入れるのは危険です。
気性が荒く、喧嘩が絶えません。
水入れや、めくれた新聞紙相手に年中発情するくらい活発なので、たとえつがいであってもメスの怪我やストレスにも繋がるため、完全同居というのは個人的にはあまりおすすめ出来ません。
同居させている方もいらっしゃいますが、「怪我をした」という話はよく聞きます。

何羽も孵化した場合雛のうちは可愛いものですが、成鳥になった時のことを想像してみてください。
しかもオスがたくさんいたら…?

何羽孵化するのか、オスなのかメスなのか分からない状況でも余裕で飼育できる環境がまずあるかどうかを今一度考えてみてください。

並うずらのオスの鳴き声や習性は無理だけどうずらを飼いたい!という場合は、成鳥のメスを購入するのが確実です。
卵や雛では性別が分かりません。

また、うずらの成長は驚くほど早く、とても小さくて可愛い雛の状態は孵化後1,2週間だけ。

その他のうずらの特徴と飼育の注意点

その他にもお伝えしておきたい注意点は山ほどあります。
既にお伝えした内容も合わせて箇条書きにすると、

  • 1日に1~2回、臭い盲腸便を出します
  • オスは気性が荒く、同じスペースでの複数飼いは難しいと思います
  • メスは卵を産むのでオスよりも細かな栄養管理が必要です
  • 餌は粉末状にして、新鮮な青菜を毎日刻んで与えます
  • おやつに虫を食べます
  • 驚いたり興奮すると上に高く飛び上がることがあるので、ケージに工夫が必要です
  • 日光浴をしないと体調を崩してしまいます
  • 砂浴びをさせるための砂場も用意します
  • うずらを診察出来る動物病院が近隣にありますか?(動物の医療費は高額です)

この時点でちょっと無理かも…?と思ったら、今の環境に合ったペットを探すことをおすすめします。

何羽生まれるか分からない人工孵化を試す場合は、数に見合った飼育環境を用意出来るか冷静に考えて下さい。
30個温めて、全部孵化したら30羽飼育出来ますか?

捨てうずらの話

テレビでうずらの孵化が放送された数週間後、近所の公園で捨てうずらが見つかりました。
(数羽は飛び立ってしまい、残った数羽は優しい人が拾って飼ってくれたそうです。)
ヒナは本当に小さくて可愛いから試してみたくなるのは分かりますが、その後のことをよーく考えてください。

可愛い小さな雛ならともかく、並うずらの成鳥の里親を探してもそう簡単には見つかりません。

うずらは一応野鳥でもあるので、最悪自然にかえしちゃえばいいや!
なんて思う人もいるかもしれませんが、自然のうずらを見たことがありますか?

元々養鶉場(うずらの農場)で繁殖してきたうずらは、抱卵の本能すらも薄れたと言われています。
そんなうずらが、元々の生息地でもない街中ではとても生きていけません

定期報告書の提出・飼養衛生管理者の選任が必要です

すべての家畜の所有者に家畜伝染病予防法に基づく定期報告書の提出が義務付けられています。

インコや文鳥などと違い「家禽」に分類されるうずらは、ペットとして1羽でも飼育していたらその目的(ペット、家禽など)に関わらず提出することになっています。

うずらの衛生管理については、農林水産省の飼養衛生管理基準をご覧ください。
農場向けの内容ではありますが、うずらを飼育する以上、家庭でもこのような衛生基準を順守して下さいねということ。

また、令和2年4月家畜伝染病予防法改正に伴い、すべての家畜の所有者(ペットのうずらも含まれます)に飼養衛生管理者の選任が義務付けられました。

ペット・研究用・公開用等を含む家畜・家禽を飼育している区域において飼養衛生管理者を選任し、管轄の家畜保健衛生所に届け出を出します。
飼養衛生管理者となった人は、管理区域に出入りする人や物の管理や研修会への参加等、知識・技術の向上に努めて下さいねとのこと。

ちなみに飼養衛生管理者を選任しなかったり、衛生管理基準に違反した場合は、罰金が科せられるとのことです。おっそろしい~!!!

家畜伝染病予防法の改正(令和2年)について(農林水産省)

鳥インフルエンザが発生したら

とある年末の夜、いきなり自宅に数枚のファックスが届きました。
間違いか?と思ったら、管轄の家畜保健精製所から。

自宅から半径10km圏内の養鶏場で鳥インフルエンザ発生。
卵や家禽、糞等の持ち出しが制限され、制限が解除されるまでの毎日死亡羽数の報告が義務付けられました。

うちはぶんじ1羽だけですがペットではなく家禽で、自宅は農場という扱いです。
期間中に具合悪くなったら病院にも行けないのかしら…。

こういうことが面倒だと思うなら、うずらはやめておきましょう。

飼える環境があるなら

何羽孵ってもみんな幸せに暮らせる環境があるなら、きっと良い家族になってくれるでしょう。

お子さんがいるならそれはもう人生を変えるくらいの出来事かもしれません。
我が家の長女(当時小学3年生)は、ぶんじとの出会いで鳥に魅了され、鳥が大好きになりましたから。

しつこいようですが、人工孵化をさせるのなら何も孵るかどうかすら分からない食用の卵を17日間も温めるよりも、確実な有精卵を飼育可能な数だけ購入する(複数個パックの場合は孵化させない分は食べる)のが一番です。

並うずらだけでなく、一回り小さくカラーも豊富な姫うずらの有精卵も売っていますし、わざわざ卵から孵さなくてもうずらの雛・成鳥を購入することも可能です。

うずらは気軽に飼える鳥ではありません。
もしうずらも家族もみんなが幸せになれる環境があるなら、素敵な出会いがあることを願っています。

以前は我が家で行ったうずらの孵化の方法を掲載していましたが、おすすめしないと言いつつ方法をお伝えするのは矛盾していると感じましたので、非公開とさせていただきます。

孵化後の雛の飼育、成鳥の飼育などについては以下の記事を参考にしてください。

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