2017年頃から2020年2月まで2匹の愛犬(2001年生まれのチヨ(永遠の18歳8ヶ月)・2002年生まれのたみ(永遠の16歳11ヶ月))の介護をしていました。
チヨは気管虚脱や胆泥症、嚥下運動の低下、会陰ヘルニア(膀胱脱)、老齢性の発作など主に加齢による機能の低下や疾患を抱えながらもいつも気合十分。
2020年2月11日に亡くなる前日の夜までしっかりご飯を食べて、チヨらしく旅立ちました。
チヨはたみのような認知症にはならず最後までしっかりとした意思を持っていましたが、歩行や食事など生活の介助は必要で、介護中はほんの数分洗濯物を干すにも神経を尖らせるほど気を抜くことはありませんでした。
たみは3年2ヶ月にわたる慢性腎臓病の治療の他、脳疾患や認知症も発症したため晩年は24時間体制の介護をしていました。
若い頃からずっと素直で大人しいたみちゃんがここぞとばかりに自我を爆発してくれたので、一生分のワガママを今言ってるんだなとすごく嬉しく思いました。
たみの持病の腎臓病は最後まで悪化することなく、とても穏やかに老衰で旅立ちました
そんな2匹が教えてくれたたくさんのことは、私の人生の宝物。
そしてこれから老犬介護を始める飼い主さんや、今まさに老犬介護の壁の前で途方に暮れている飼い主さんのヒントにもなるのではないかな?と思い、このブログ内には犬の介護に関する記事も残しています。
私はおそらくとても変態なので、老犬介護で寝られなくても、お風呂に入れなくても、引きこもりすぎて近所の奥さんから生存確認されても全然苦ではありません(普通の主婦業とお財布は辛いです)。
ですが正常な人間にとっては昼夜問わず夜鳴きに悩まされたり、夜通し眠れなかったり体のジタバタが止まらなくて犬も困っていそうなのにどうしてあげることも出来なかったり、ご飯を食べなかったり、病気で具合が悪かったり…睡眠不足・不安・疲労・金銭的な問題など色々な要因が重なって逃げだしたくなることもあるのではないかと思います。
このページには老犬介護に関する記事をざっくりひとまとめにしましたので、さらっと目を通してみてください。
何か小さなヒントでも見つかるかもしれません。
ですがひとつ注意点を。
老犬介護は教科書通りにはいきません。
1匹1匹、抱えている疾患も、性格も、体格も何もかもが違います。
例えばこれは介護に限らず他の病気の治療の体験談でもありますが、

とアドバイスされた場合、たみならすんなりとシリンジ食に移行できますが、チヨは無理。
絶対無理。

と暴れて絶叫しておまけに喉にご飯を詰まらせてしまうかもしれません。
というわけでこのブログに書いてある事は、私が育てた私の犬であっても、たみには良くてもチヨには絶対無理な介護方法、まさにオーダーメイドの介護の記録です。
なのでこのまま試してみるもよしアレンジしてみるもよし、「こんな方法もあるんだな」と隣の老犬介護をちょこっと覗いた気分で読んでいただければなと思っています。
やってみたけど無理だった…なんて、絶対に落ち込まないように!
あとひとつだけ伝えておきたいのは、寝るのも休むのも好きなものを食べるのも美容院も映画もあとでいつでも行けるから、どうか少しでも後悔のない毎日を送ってほしい。
明日は当たり前には訪れません。
辛い日もあるかもしれないけど、今しか触れられない宝物を大事に大事にしてほしいなと思います。
ちなみに美容院行かないとどうにもこうにも頭がもっさり…という時は、「サローネヘアカットブラシ」が便利。
私、老犬介護卒業したのにまだこれでセルフカットしてます。
最初に読んでほしい記事
認知症はある日突然始まるものではありません。
あれ?と思う事が増えて、完全に認知症になってからあの時のあれが始まりだったのかと後から気づく。
以下の記事にたみの認知症の始まりについてまとめました。
犬の介護用品は犬用として商品化されているもの以外にもベビー用品や日用品で代用したり、手作りをすることも可能です。
もしかすると商品に頼ることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、絶対に便利グッズは取り入れるべき!
ワンオペ介護の私にとっては家族よりも便利グッズが助けてくれたと言っても過言ではありません。
それにいずれ必要になるものならば躊躇せず早めに買っておくと、いざ介護となった時に慌てずに済むかなと思います。
足が不自由になったら、歩行を補助する道具が必要になります。
絶対必要というわけではありませんが、寝たきりにするのではなく、たとえ歩けなかったとしても四本足で立った姿勢に起こし、内臓を正しい位置に戻すことはとても重要。
チヨは後ろ足だけが不自由で、立ち上がる度にハーネスをつけさせてくれるような大人しいおばあさんではないので、24時間つけっぱなしにしておける布製の後ろ足用補助ハーネス(チヨベルト)を作りました。
犬の介護ハーネスを手作り。1日中つけていられるベルトを自作しました【作り方・仕組み・材料など】
たみの場合は寝たままでヒャンヒャン鳴いたりジタバタ暴れる時は、パニックやわけも分からず騒いでいるのではなく、「立って歩きたいのにどうにもならない」という状態のことがほとんどでした。
車椅子の購入も検討しましたが、早急に必要だったことと、たみは首が後ろを向いてグルグル回りたい、顎を絶妙な高さに置いて立ったまま寝たいという希望があったので、塩ビパイプで歩行器(たみカー)を手作りしました。
また、チヨも晩年は足が弱ってしまったのでチヨカーを作り、塩ビの曲げ加工まで施して完璧な仕上がりになり、食事の際の支えとして大活躍しました。
歩行器は本当に作って良かったと思います。
食事がうまくとれなくなったら、「強制給餌」というシリンジで流動食を口に流し込むという文章で読むととても嫌な印象を受ける食事の介助の方法がありますが、私はこれをお食事サービスと呼んでいます。
たみの場合はシリンジを嫌がらずに受け入れてくれたので、シリンジを使うことにより腎臓病の療法食を完璧に与える事が出来ました。
チヨの場合はシリンジで飲ませようだなんてしたらまさに「強制給餌」になってしまうので強要はしません。
ですが嚥下運動が低下して喉に食べ物を詰まらせやすいので、流動食を自分でお皿から飲んでいます。
老犬介護をする上で、さっと手に取れるところに参考になる本があるととても役立ちます。
私がおすすめしたい老犬介護の本は、「イヌの老いじたく」「老犬生活 完全ガイド」の2冊。
以下の記事に詳しい説明をまとめました。
「イヌの老いじたく」はシニア期に突入したら是非読んでほしい一冊です
老犬介護卒業してから発売されたので読んではいませんが、ちょっとお高めなものの良さそうな一冊「高齢犬・高齢猫の「本当に困った! 」が解決 対応策がわかるハイシニアケア」もいつか読んでみたいです。
以上がざっくり読んでほしい記事。
老犬介護に関する記事は他にもありますので、何か使えそうなヒントがあったらピックアップしてみてください♪