サイトメンテナンス中のため一部の表示が乱れています。ごめんなさーい!

【腸腎連関編】犬猫の慢性腎臓病のお勉強から今後のケアについて考えるページ

※当サイトでは実際に使用した商品・関連商品の紹介にAmazon・楽天・Yahooショッピング等へのアフィリエイトリンクを貼り、読者の皆様へ負担をかけない形でサイトの維持運営費を捻出しています。ご理解・ご協力のほどよろしくお願い致します。

腎臓病とは…?

なんて解説を書いて、もしかして参考にした人がいて、それが間違ってると大変なので今まで書かないでいたけど、私は学生の頃から勉強した内容(インプット)を元に、人に見られても恥ずかしくない程度の参考書を各教科ごとに作る(アウトプット)ことで自分の知識としてきた。このサイト全体も同じ感じ。

なので今いる犬猫達の今後のためにも一度復習がてらまとめてみようかと思いますが、間違いがあるとご迷惑をおかけするのであんまり参考にはしないで下さい。

私は自分の犬猫に対しては先代犬たみちゃんの闘病の頃から「腸腎連関」に注目してケアを行っているので、今回はそんな話題が中心。

目次

慢性腎臓病のお勉強

食べ物から出た老廃物をろ過しておしっこで出すのが腎臓の主なお仕事。

小腸で吸収しきれなかったたんぱく質(アミノ酸)の成分が大腸まで届くと、

アミノ酸
  • トリプトファン
  • チロシン
  • カルニチン
  • コリン

が大腸の腸内細菌により

尿毒素の元
  • トリプトファン→ インドール
  • チロシン→ p-クレゾール
  • カルニチン・コリン→ トリメチルアミン

に変化。

そしてそれらが今度は肝臓に移動して、

尿毒素爆誕
  • インドール→ インドキシル硫酸
  • p-クレゾール→ p-クレシル硫酸
  • トリメチルアミン→ トリメチルアミン-N-オキシド

に変化。

元気な腎臓ならこれらの尿毒素を腎臓でろ過しておしっこで排出出来るはずが、腎臓病の場合はろ過機能が低下しているので、体に尿毒素が溜まる。

尿毒素が溜まると更なる腎機能の低下だけでなく、心臓病、骨代謝異常、神経症状などの様々な合併症を発症するなど全身への悪影響も及ぼす。
というのが、腎機能が低下した際の悪循環の仕組みであり、「腸腎連関」と呼ばれるように腸内環境が腎臓の状態を良くも悪くも左右する。

腎臓が弱ってるんだからその分腸管が頑張らないとね!ということ。

で、生物はアミノ酸(トリプトファン・チロシン・カルニチン・コリン)から尿毒素の元(インドール・p-クレゾール・トリメチルアミン)に変化させるための変換酵素は持っていないので、アミノ酸→尿毒素の元への変換は腸内細菌叢が行っているとされる。

トリプトファン・チロシン→ インドール・p-クレゾールへの変換を行う腸内細菌は、

  • Bacteroides 属のなかでも B. thetaiotaomicronや B. ovatus が腸管内でのインドール産生を行っている
  • ClostridiaやBacteroidiaの一部がインドールや p- クレゾールの産生菌種の候補として報告されている

とのこと。

このBacteroides(バクテロイデス)、これが猫の腸内細菌の中でも多い菌種で、更にClostridium(クロストリジウム)属は高齢になると増えてくる悪玉菌も有する細菌なんだって(だんだん面倒くさくなってきた)

また、カルニチン・コリン→ トリメチルアミンへの変換を行う腸内細菌は…

トリメチルアミン産生菌としてはヒトの糞便を用いた解析から,Clostridium XIVa サブクラスターをはじめ,多くの菌種がトリメチルアミン産生に関与する酵素であるcutA および cutC 遺伝子を発現しており,TMAO 産生に関与しうることが報告されている

なんかよく分からないけどまた出た。Clostridium!
「プロテオクバテリア門」の細菌群(大腸菌・サルモネラ菌・シュードモナス属など:悪玉菌)が増加するとトリメチルアミンの産生が促進される可能性があるというデータも。

ちなみにBacteroides(バクテロイデス)は日和見菌で、普段はどっちつかずの立場のくせに腸内で善玉菌が優勢になると善玉菌に、悪玉菌が優勢になると悪玉菌の方に日和るので、猫の腸内細菌の中で比較的優勢な善玉菌の役割としている(腸球菌:Enterococcus属←エンテロコッカス←高齢になると減る)を育てたいよね!と思うんだけど、このエンテロコッカスが面倒な奴で、なんか時々炎症を起こしたりする(https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1016/j.jfms.2005.01.001)。

以上のことから悪玉菌を抑制しつつ、腸球菌も過剰にならない程度に摂取させつつ、善玉菌の餌になるプレバイオティクスを積極的に摂取して、日和見菌が悪玉菌に日和ることがないように維持するのが良いのかなと最近の私は考えているので、慢性腎臓病治療中の猫とらじには、シンバイオティクスの他にプレバイオティクスである「ケストース」「ラクツロース」「サイリウム」を飲ませてる。

〇 猫の腸内細菌はBacteroides科(バクテロイデス科:日和見菌)、やEubacterium属(ユウバクテリウム属:日和見菌)グループ、嫌気性連鎖球菌(悪玉菌)が多い。
〇 Enterococcus属グループ(エンテロコッカス 腸球菌)の細菌が善玉菌の役割を担う
〇 高齢になるとClostridium(クロストリジウム)属グループの細菌が増え
Enterococcus(エンテロコッカス:日和見菌)属グループの細菌が減る
〇 Clostridium(クロストリジウム)属グループの細菌には、いわゆる悪玉菌と呼ばれる動物に良くない影響を及ぼす細菌も含まれている

とされている模様(ネコにはネコの乳酸菌!?~ネコにおける加齢に伴う腸内細菌叢の変化~より)。

猫の腸内細菌にはビフィズス菌はほぼほぼ存在していないそうで、乳酸桿菌もそんなに多くはない。
犬の場合は乳酸桿菌が主役で、腸球菌、ビフィズス菌、日和見菌とか悪玉菌とか。
猫と違って犬は雑食なので食生活によってかなり偏りがあるのかなと思ったり。

で、犬猫に元々備わっている善玉菌を育てよう!じゃなくて、腎臓に対してそこそこ良い作用をもたらす菌(プロバイオティクス)と良質な餌(プレバイオティクス)を投入したらどうなの?ということで、

尿毒素の減少や炎症反応の低下、腎機能悪化の進行抑制効果が認められているLactobacilus(ラクトバチルス)やBifidobacterium(ビフィズス菌)

を投与しましょうか!という発想に至り、それが「腸内環境を整えましょう!」と言われる所以。

そして彼らの腸内にそんなに存在していないラクトバチルスやビフィズス菌を投入するにはどうしてもサプリメントの力を借りなければならない。

研究では、

プロバイオティクスとして Lactobacilus 属細菌やBifidobacterium属細菌,プレバイオティクスとしてオリゴサッカライド,イヌリン,レジスタントスターチなどを使用し,両者の成分を組み合わせたシンバイオティクス製剤をCKD患者へ投与

となっているので、似たようなサプリメントを探さねば!どんなサプリがいいのかな?となる。

私は犬猫(特に猫は代謝が特殊なので…)において安全性の確認されていない人間のサプリメントを使うことには慎重。

猫の場合は

  • 猫の腸内細菌叢に存在する「エンテロコッカスの仲間(腸球菌)」が含まれたサプリメント(過剰には摂らない)
  • 猫の腸内細菌叢にはほとんど含まれていないけれど尿毒素の減少に一役買ってくれそうな「Lactobacillus属(ラクトバチルス:乳酸桿菌)」「ビフィズス菌」
  • 善玉菌の餌となる難消化性オリゴ糖や食物繊維

犬の場合は

  • 犬の腸内細菌叢に存在する「Lactobacillus属(ラクトバチルス:乳酸桿菌)」「エンテロコッカスの仲間(腸球菌)」「ビフィズス菌」
  • 善玉菌の餌となる難消化性オリゴ糖や食物繊維

以上のような基準で選ぶかな。

特に高齢になるとエンテロコッカスやLactobacillus属(ラクトバチルス:乳酸桿菌)が減り、悪玉菌が増える傾向にあるので、腸内環境を若い頃と同じように保つことが腎臓の保護にも繋がるのではないかと考えます。
悪玉菌が100%悪かといえばそういうわけではないので完全排除はしません。

慢性腎臓病患者は腸管内での吸収障害が起きているため、食事中タンパク質成分が小腸で吸収しきれずに大腸に到達する量が増加し腸管由来尿毒素の基質となる材料が増加する

とあるので、小腸の吸収障害とやらをどうにかしてやればいいんじゃない?とも思ったり…。
その辺はまだこれから考える。

薬を使った治療

腸腎連関を意識した人間の腎臓病の治療では、主に

  • 球形吸着炭(クレメジン(猫用はコバルジン))
  • 緩下剤(ルビプロストン(商品名:アミティーザ))
  • 糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬:ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ))

以上のような「薬」を使った治療も行われています。
吸着炭は犬猫用では植物由来のネフガードというサプリメントがあり、私はそれを使っていますが、より高い効果を期待するならクレメジン(コバルジン)かなと思います。かかりつけでも希望すれば処方してくれます。

ペットゴー 2号館 楽天市場店
¥2,449 (2024/11/15 15:56時点 | 楽天市場調べ)

アミティーザやフォシーガに関しては人間に認可された際に主治医の先生とも話しましたが、猫への安全性が分からない以上実験的に使うのは怖いねーってことで特に何も。

先代犬たみは重い合併症を引き起こしたり慢性腎不全による貧血や尿毒症にはならずに3年ちょっとの月日を過ごして老衰で亡くなったので、幸いなことにものすごく突っ込んだ治療の経験がありません。

なので今もどちらかというと進行を抑える方に重きを置きたい感じ。

どの薬にもサプリメントにもメリット・デメリットがあるので、極端に「あれはダメ!」「絶対これ!」ではなく天秤にかけながら最善の選択をしたいかな。

とらじは腎臓結石が原因で慢性腎臓病になってしまいましたが、このまま進行しないように。
同居犬猫達に対しても「未病」を意識して健康維持に努めていきたいと思っています。

そのための腸内環境!もちろん基本の食事療法や日常のケアも大事。
もうちょっとよく考えてみよ…

記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次