犬猫の腎臓病治療記録と在宅ケア 老犬生活

父の介護から学んだこと【犬猫たちに活かしたい】

チヨたみの介護が本格的に始まる少し前に亡くなった祖母が、入院中の病床で「家に帰りたい、情けない」としきりに言っていました。
それがずっと心に残っていた私は、チヨたみは出来る限り入院させずに住み慣れた家で寿命を全うさせたいと決め、闘病・介護をしていました。

たみは腎臓の数値が急激に悪化した時期に2回半日預けて点滴をしただけ、チヨも下痢をして脱水が進んだ時に半日だけ。
2匹とも家で老衰で看取る事が出来ました。
チヨは最後重責発作を起こしたため麻酔で眠らせて発作を鎮めることも選択肢のひとつでしたが、時間稼ぎをして作られた時間よりも処置の間離れ離れになる時間の方が長いことは目に見えていたので、そのまま連れて帰り家で看取りました。

今、私は小細胞肺癌末期の父の在宅介護をしています。
介護中、足元がおぼつかないのにいきなり立ち上がったり、おしっこが出にくかったり、父の様子を見ていていちいちチヨたみはこうだったなぁと思い出します。

それと同時に、今一緒に暮らしている犬猫たちにはこうしてあげたいなと新たに思うことも多く、ものすごく大変な介護ではあるけれど学ぶことがたくさんあります。

「あれ食べたい、これ食べたい、ご飯食べに行きたい、ラジコン飛ばしに行きたい、痛いのは嫌、苦しいのは嫌、家にいたい、トイレ行きたい、うるさい、お風呂入りたい」

父が言葉にして伝えてくれるから、きっと犬猫たちもこのように思うのだろうとひとつひとつが私の心に刻まれていきます。

父は癌の痛みと肺癌特有の呼吸苦の緩和が大きな課題。

よく犬や猫は痛みに強いと言われますが、私はそうは思いません。
チヨちゃんなんて🐶アタシ痛いわ!どうにかして!!!ってちょっとのことで大騒ぎだったし。
逆に私は出産直前に猛烈な陣痛に耐えかねて無言でナースコールを押したのに「その顔なら大丈夫」と顔で診断されて気付いてくれた頃には生まれる寸前。

犬猫だって痛いものは痛いはずで、苦しい時は苦しい。
それを人間が分かってあげていないだけ。そう思います。

父の痛みは今、医療麻薬の舌下薬でもテープでも抑えきれず、持続皮下注射で緩和しています。

呼吸苦は最終的には鎮静をかけることになりますが、今は酸素吸入で。

最初の診察の際に、「食べられなくなった時に点滴は希望されますか?」と訪問診療の主治医に聞かれました。
「どうしたらいいの!?」と母に突然振られ、「消化吸収が出来ないのに点滴をしたらかえって苦しめますよね?」と聞くと、「その通りです」と。
痰が増えたり、体が浮腫んだり、父の場合は心肺に疾患があるので水が溜まったり、過剰な点滴はきっと苦しくなるのだろうなと思います。
それもチヨたみの介護をする中でどうしたら本来の寿命を苦痛なく過ごせるかと悩み、介護の合間に人間の穏やかな介護について学ぶ中で知ったこと。
たみちゃんは体の水分のバランスがすごく大事な腎臓の治療をしていたので、その中でも。

人と違い、犬猫にどれだけの緩和ケアや疼痛管理が出来るのかはわかりません。
出来たとしても莫大な医療費が必要になると思います。
それにその緩和すらも理解が出来ない犬猫とっては苦痛になるかもしれないし、入院が必要になるかもしれないし、腎臓肝臓に疾患があれば緩和のための投薬が負担になることも。
様々な面から考慮して在宅で出来る最善の形で出来る限り痛みや苦しみは取り除き、その先に苦痛しかないのなら安楽死も愛情の一つ。

でも父は「痛い!痛い!もういやだ!」と大騒ぎするほどの痛みがなくなると途端に生きる気満々になるので、犬猫もあまりに悲観し過ぎて早々に安楽死を選択するのではなく、出来得る限りのことはした上での選択としておきたいと思います。
それは当事者になったことがないのでボンヤリとしか考えられませんが。

人間の育児から学び、祖母に学び、チヨたみに学び、父に学び、逃げ出したくなるほど大変な事も多いけれど、大きな大きな財産になっています。
ひとつひとつを無駄にせず、みんなの思い出や頑張りを振り返りながらこれから自分に課される課題を最善の形で残していきたいと思います。

私は今、自分が親の世話をすることは嫌だとも苦痛だとも思いませんが(大変だけど)、同じことを子供達にさせたいかと考えたら、出来るだけさせたくはありません。
だから長女には「私がいつか病気や認知症で世話をかけることになったら迷わず施設に入れるか入院させてね。もしその時になって家にいたいと言ったとしても『お母さんは昔あんなこと言ってたけど家にいたいというのが本心なんだわ』とか絶対思わないで。40歳の私が言ってることが本心だから」と伝えてあります。

それも今まさに父の在宅介護をどこまでするのが正解なのか、母も姉も私もいまいち分からずに毎日ヒーヒー言いながら介護しながら学んだことのひとつ。

40歳女。
育児の経験があり、犬も猫も何匹も飼ってきて親の介護もしてそれなりの経験値を積んできたと思いきやまだまだ全然で、一生かかっても一人前にはなれないかもしれません。
学ぶ姿勢、活かす努力、誤りを正す姿勢を忘れずに、大切なものを守っていきたいと思います。

ある程度年を取ったら好きだから犬猫と暮らさない選択をすることも心に決めて。

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参考にしている論文・資料

腎臓病・腎結石の犬猫の家庭でのケアや獣医さんと治療方針を相談する上で私が参考にしている論文・資料です。
新しいものが見つかり次第随時追加しています。

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