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「犬の飼い主」ではなくなった私は、これからをどう生きるのか
19歳の7月、私は初めて「自分の犬(チヨ)」を飼った。
38歳の冬、私は初めての自分の犬を看取った。
18年間、私はチヨを生かすことで自分も生きていた。
親の経済的な事情から大学を辞めても、実家がなくなっても、周囲よりも相当早い年齢で結婚し未知の環境に足を踏み入れても、何故か突然異業種で働くことになっても、人間の子供が生まれ人間のお母さんになっても、何の後ろ盾もなくどの変化にも「辛い」「しんどい」が付きまとっても、いつも「チヨちゃんのために」があったから乗り越えられた。
チヨちゃんがいなくなったら私はどうなるのだろうかといつも不安だった。
今、チヨがいなくなった私は、意外と普通。
2年以上にわたる介護生活の中で、先に旅立ったチヨよりも1歳年下のたみが「生きて死ぬ」ということを教えてくれたからだろうか。
たみが死んでしまってからの9ヶ月間、少しずつ進むチヨの老化に向き合い、チヨらしく生きさせること、チヨらしい最期を見守る覚悟が出来たからだろうか。
午前3時、目が覚めたチヨに気付いていつも通りトイレでちゃんとオシッコさせて、発作を起こすまでを全部見ていたからだろうか。
蘇生をして病院にも行って、出来る治療はして、家に連れ帰って、恐れていた窒息や大発作ではなく徐々に命が尽きる過程をずっと笑顔で声をかけながら見守れたからだろうか。
アタシ生きる!というチヨの気迫が、アタシ生きたわ!に変わるまでしっかりと見届けることが出来たからだろうか。
とてつもなく寂しいが、悔いはない。
悔いがないことが逆にポッカリと大きな穴になってしまったようでソワソワと落ち着かないし、いなくなってしまったことそのものが嫌で仕方がないが、私は普通に生きている。
おそらくこの18年という年月で、自分が思っている以上にチヨに成長させてもらっていたのだろう。
私は平気だ。まるでチヨのようだ。
欲を言うならば成人式をしたかった。
でももう少ししたら日本は18歳成人になるのだから、チヨも立派な成人のようなものだ。
長寿の表彰状ももらえたし(日本動物愛護協会に申請)。
3歳から13歳まで犬と育ち、自分の犬を飼うまでポッカリと開いてしまった6年間。
「いつか自分の犬を飼う」という目標が、不安定な家庭環境にも不本意な進学先にも耐える力をくれた6年間。
犬を飼う費用を貯めること、犬を暮らすための知識を得ること、そのための6年間。
犬がいない私の鬱屈した人生がパッと華やいだのは、手の平に乗るくらい小さい犬、チヨと出会った瞬間だった。
こんな出会いはもう二度とないだろう。
この先の人生、自分の意思で犬の飼い主になることはない(うっかり拾ったらそりゃぁ…)。
「チヨちゃんのために」を念頭に生きていた私は、これからをどう生きるのだろうか。
私はもう「犬の飼い主」ではない。
チヨはもういない。
ただ、私はチヨを失ってはいない。
どう生きるのかは分からないが、生きていきていけそうな気がする。
2020年2月11日、チヨ18歳8ヶ月30日の生涯を閉じました。
1月末から調子を崩し24時間の介護が必要になりましたが、食べる時だけは「介助などいらぬ!!」とほっかむりを被って気合十分。
たみの時と同様、どうにか理想の形に完成させられたチヨカーに乗って、亡くなる前日の夕飯もお腹いっぱい食べてチヨらしい生き方でした。
本当なら2018年5月30日の一番最初の窒息を伴う発作で命を落としていたと思います。
その後の発作でも、2018年秋の尿閉でも。
その度に「アタシ生きる!」という力に引っ張られながら、チヨを生きさせるスキルを身に付けながら、チヨが持って生まれた本来の寿命を全うさせられました。
Twitterやいつもブログを読んで下さっていた方からは驚くほどたくさんのメッセージやお花などをいただきました。
ありがとうございました。
↑羊毛チヨちゃんとクッションたみちゃんです。
いつも気にかけて下さるフォロワーさんや読者様、信頼している病院の先生、私がどれだけ老犬介護に没頭しても自由にさせてくれた家族、何よりチヨの生きる力のおかげでここまでやってこられました。
肩書は犬の飼い主ではなくなりましたが、私はいつまでもチヨたみのお母さん。
ここで私の人生は一区切り。
これからはチヨやたみが教えてくれたことを無駄にしないように猫達を育て、人間の子供達にも伝えていきたいと思っています。
昔のブログも含めるとチヨたみがネット上に登場してから16年くらいかな?
チヨやたみだけでなく私の人間の子育てまで見守って下さっている方もたくさんいます。
皆さん本当に応援ありがとうございました。
これからもがんばるよ!