老犬生活

犬の歩行器(四輪)の作り方【塩ビパイプの曲げ方など】

2019年6月6日

先日亡くなった愛犬たみ(パピヨン16歳)は、亡くなる1年ほど前から脳の疾患(腎臓病のため麻酔がかけられるMRI検査が出来ないのでおそらく…ですが)の影響で自力での歩行が徐々に難しくなりました。

身体的な症状は段階を追って徐々に変化をし、後ろ足の力が入らなかったり、前足だけがもつれたり、眼振が出て頭を上に仰け反らせたり、逆に頭を持ち上げられなくてでんぐり返りの様な状態で転んでしまったり、顔が左側にどんどん曲がっていったり。

この1年で様々な変化があり、最期の方は認知症も進行していたので夜中に歩きたいのに体が動かせないのでヒーヒーと大鳴きをする事もありました。

そんなたみを救ってくれたのが、「たみカー」

たみは私が塩ビパイプを組み合わせて作ったたみカーで、老衰で亡くなる1時間前まで歩いていました。
本当に作ってあげて良かった。
試行錯誤していたので完成まで少し時間はかかったけれど、間に合って良かったと思います。

歩くこと、立つこと

たみや同居犬チヨを見ていると、犬にとって「食べられない」よりも「歩けない」「立てない」ことの方が辛いのではないかなと思いました。

18歳の同居犬チヨも16歳の時に一時歩けなくなり、その期間は夜通し鳴いたり補助ベルトで補助してあげても落ち着かなくてグルグルと歩き回ったり、大変でした。
チヨはその後気合で回復し、自力で歩けるようになると途端に静かに。

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たみも認知症で夜通しグルグル歩き回っていた時は何ともなかったけれど、体が動かなくなると同時にパニックを起こし鳴くようになりました。

認知症で自分で食べる事は忘れてしまい、食べ物も認識しなくなっていたけれど、「歩きたい」という気持ちだけは最後の最後まで残っていました。

歩けなくても立つこと、立って姿勢を正し、内臓を本来の位置に戻すこと。
それだけでも違います。

ただ、それは単純なことではありません。

  • 体が曲がっている
  • 普通の歩行器に乗せると頭を仰け反らせてパニックになる
  • 真っ直ぐ歩くのではなくひたすらグルグル回りたい

市販の車椅子・歩行器は、真っ直ぐ立って歩くためのものが多く、たみの様に家の中で体の変化に合わせて立って少し歩くという目的の商品は見つかりませんでした。
オーダーメイドの車椅子ならば変化に合わせて調整してもらえそうですが、その調整すら自宅で24時間介護状態では難しい。

そこで作ったのがたみカーです。

たみの体に合わせて最初に作った形は顎を乗せられて、四肢を支えてくれるもの。

たみを乗せる部分は長時間乗っていても体に負担がかからないように歩行補助ベルトにも使用したキルトニットの生地を使い、顎乗せの部分には綿を少し入れてクッション状にしました。

たみはこのたみカーに乗ると途端にホッとしたような顔になり、ウトウト寝てしまうことも。

良かった良かったと思っていた矢先、たみに変化が。
認知症が進行し、首が常に左に曲がってしまい、歩くというよりもその場で回転するようになりました。そしてそれがうまくいかないとパニックを起こしてしまう。
おそらく人間で言うとアルツハイマーの様な状態とのこと。

最初に作ったたみカーにも乗りたくないようで、乗せようとすると暴れたり、乗せたとしても曲がった顔が左側面の柱に当たってしまい、とても危険…。

そこで試作を重ねて作ったのが、たみカー第2形態。

  • 顔が左を向いても安全かつ左を向きすぎないようにストッパー機能搭載
  • 真っ直ぐの歩行ではなくスムーズな回転を重視
  • 体に負担がかからない
  • 足がひっかからない

以上の点にポイントを絞り、たみが亡くなる10日前に完成させたたみカーが↓これ。

塩ビパイプのジョイントを組み合わせ組み合わせ作ったので少々ゴツくなってしまいましたが、たみちゃんはこのたみカーで最期の最期までグルグル回っていました。

本当に作って良かったと思うけれど、ひとつ心残りがあります。

塩ビパイプを組み合わせるとどうしてもジョイント部分が増えてしまいます。
小型の老犬にとってはそれすら少し重そう。

それで私、もうちょっと軽量化出来ないかと考えて、たみが亡くなる数日前に塩ビパイプを曲げて加工することに成功してたんですね。

それはすぐにたみカーの一部に取り付けたのですが、やっぱり綺麗です。

よーし!母ちゃん曲げまくるぞー!

なんて思ってたらたみちゃん死んじゃって…。

なのでこの情報、無駄にしたくないので塩ビパイプの曲げ加工についてお伝えします。

塩ビパイプの曲げ方

歩行器の組み立てについてはその子その子の特徴に合わせて作ってあげたらいいと思います。
たみは↓こんな感じ。

体の状態、体の大きさなどを飼い主さんが見て工夫してあげて下さい。

で、肝心の塩ビパイプの曲げ方についてお伝えします。

塩ビパイプは大体60~80度くらいの熱を加えれば曲がります。

バーナーで炙ったり、ヒートガンを使えば曲げることが出来ます。
ヒートガンは安いものなら2000円前後から売っています。
私は↓これを注文しましたが、たみちゃんが死んじゃった翌日に届きましたよ(お通夜モード)。

で、まずは使ってくれるかどうかお試しで歩行器を作ってみたい、工具にお金をかけるくらいなら介護用品を買いたい方にご紹介したいのが、蒸気で熱する方法。

塩ビパイプをやかんで曲げる

台所のガスコンロの火で炙れば曲がりますが、変なガスが出たり炙り過ぎて溶けたら怖い…。

というわけで考えたのが、やかんから出る蒸気で熱してしまおうという方法。
これはもともと水槽のフィルターを自作する際にアクリルパイプを曲げる時によく使われる方法です。

まず最初に曲げたいポイントに油性ペンでしるしをつけます。

熱してただ曲げただけではパイプの中の空洞が潰れてしまうので、塩ビパイプの内径に合ったサイズの塩ビパイプベンダーを通します。
これは固い縄とかでも代用できますが、ベンダーがあった方がいいかな。

やかんでお湯をわかし、蒸気がたくさん出てきたらしるしの回りを熱します。
熱湯をかけてもいいと思うけど、蒸気の方がおすすめ。

曲がるようになるまでは少し時間がかかりますが、力を加えて↓このくらい曲がるようになれば徐々に曲がりやすくなってくるので、熱して曲げて熱して曲げて…を繰り返し、希望の角度まで曲げていきます。

最終的には↓こんな感じ。

この曲げ加工が出来れば、L字のジョイントをひとつ省けるわけです。
馬鹿力出してがんばってください。

曲げ加工が出来たからといって三又にしたい箇所などにはジョイントは必要。

塩ビパイプは力を嵌め込めばしっかり嵌るので、最初は接着剤は使わずに微調整しながら歩行器の形を決めていきます。

  • ここは絶対に外さない
  • 足回りなどをしっかり固定したい

という場合は、塩ビ用の接着剤で固定します。

うちにあるのは大きいのですが、歩行器だけなら少量で十分。

キャスターについて

キャスターについてお問い合わせをいただきましたがメールが戻ってきてしまうのでツイッターで回答しました。

キャスターなど塩ビ以外の素材の部品はセメダインスーパーXを使いました。

あとは塩ビパイプをカットするパイプカッターがあると捗ります。
私は最初、塩ビパイプも切れる!というのこぎりで切っていましたが、大変で大変で泣きたくなりました。
そんなある日夫の工具箱でパイプカッターを見つけ、盗んできました。

ちなみにたみは使用時2kg前後の小型犬。
塩ビパイプはVP管13Aサイズを使用しています。

以上、本当にあってよかった!それなのに売ってない介護用品のトップ3には確実に入る介護用歩行器の作り方(主に塩ビパイプの曲げ加工)についてご紹介しました。

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