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犬の歩行器(四輪)の作り方【塩ビパイプの曲げ方など】

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苦節1年くらい?初代チヨカーを含めると1年半くらい?

遂に老犬用4輪歩行器「新チヨカー」が完成!

私が愛犬に歩行器を自作しようと思った理由は、

  • チヨは後ろ足が不自由だけれど前足を拘束されるのを嫌がるので、ベルトできっちり止める市販の2輪車椅子は不向き
  • たみは本格的に歩行器が必要になった頃にはもう時間が限られているのが分かっていたので、一刻も早くぴったりなものがほしかった
  • 体に当たる部分は柔らかい布製で、出来る限り負担が少なくぴったり馴染むものが良い
  • 学生時代、技術の成績がいつも良かった

挙げたらきりがありませんが、とにかくたみの場合は時間が限られていたことと、首が後ろに曲がったり頭を支える力がなかったりひたすらグルグル回りたがったりと、オーダーしたとしても一度で納得できるものが仕上がるとは思えなかったのが一番の理由。
初代チヨカーを自作した経験から、自分でも出来そうじゃない?という思いがあったのも大きな理由です。

そして今回、これまでの創意工夫と手抜きをフル活用して新チヨカーが完成しました。

チヨ

ごはん!ごはん!

例え軽い塩ビパイプを使ったとしても体重1.7kgで足が弱った極小チヨちゃんには重すぎるのではないかと気になったので、塩ビパイプのジョイントを出来るだけ省けるように一部は曲げ加工(後述します)をしました。

これでチヨカーの操作性はばっちり!

2019年5月に亡くなった同居犬たみは、亡くなる1年ほど前から脳の疾患(腎臓病のため麻酔がかけられるMRI検査が出来ないのでおそらく…ですが)の影響で自力での歩行が徐々に難しくなり、後ろ足の力が入らなかったり、前足だけがもつれたり、眼振が出て頭を上に仰け反らせたり、逆に頭を持ち上げられなくてでんぐり返りの様な状態で転んでしまったり、顔が左側にどんどん曲がっていったり。

様々な変化があり、徐々に認知症も進行していたので夜中に歩きたいのに体が動かせなくてヒーヒーと大鳴きをする事もありました。

そんなたみを救ってくれたのが、新チヨカーの前身ともなった「たみカー」

たみちゃんはこのたみカーで、老衰で亡くなる1時間前まで歩いていました。
本当に作ってあげて良かった。
ゼロからスタートして試行錯誤していたので完成まで少し時間はかかったけれど、間に合って良かったと思います。

そんなたみカーを更にバージョンアップして完成したのが新チヨカーです。

あぁこれにたみちゃんを乗せてあげたかった…

チヨちゃんの足がもう少ししっかりしてた頃から乗せてあげたかった…

そんな私の 怨念 思いがたっぷり詰まった歩行器の作り方をご紹介するので、ご利用の際は「七さんありがとう」と心の中で呟いて下さい。

目次

犬の歩行器を作る前に知っておいてほしいこと

たみやチヨを見ていると、犬にとって「食べられない」よりも「歩けない」「立てない」ことの方が辛いのではないかなと思いました。

18歳のチヨも16歳の時に一時歩けなくなり、その期間は夜通し鳴いたり補助ベルトで補助してあげても落ち着かなくてグルグルと歩き回ったり、大変でした。
チヨはその後気合で回復し、自力で歩けるようになると途端に静かに。

たみも認知症で夜通しグルグル歩き回っていた時は何ともなかったけれど、体が動かなくなると同時にパニックを起こし鳴くようになりました。

認知症で自分で食べる事は忘れてしまい、食べ物も認識しなくなっていたけれど、「歩きたい」という気持ちだけは最後の最後まで残っていました。

歩けなくても立つこと、立って姿勢を正し、内臓を本来の位置に戻すこと。
それだけでも違います。

ただ、それは単純なことではありません。

  • 体が曲がっている
  • 普通の歩行器に乗せると頭を仰け反らせてパニックになる
  • 真っ直ぐ歩くのではなくひたすらグルグル回りたい

市販の車椅子・歩行器は、真っ直ぐ立って歩くためのものが多く、たみの様に家の中で体の変化に合わせて立って少し歩くという目的の商品は見つかりませんでした。
オーダーメイドの車椅子ならば変化に合わせて調整してもらえそうですが、きっと私にしか分からないたみのバランス(←これ重要)があったし、車椅子屋さんとのやり取りや調整に出す手間すら24時間介護状態では難しい。

そこで作ったのがたみカーです。

たみの体に合わせて最初に作った形は顎を乗せられて、四肢を支えてくれるもの。

たみを乗せる部分は長時間乗っていても体に負担がかからないように歩行補助ベルトにも使用したキルトニットの生地を使い、顎乗せの部分には綿を少し入れてクッション状にしました。

たみはこのたみカーに乗ると途端にホッとしたような顔になり、ウトウト寝てしまうことも。

良かった良かったと思っていた矢先、たみに変化が。
認知症が進行し、首が常に左に曲がってしまい、歩くというよりもその場で回転するようになりました。そしてそれがうまくいかないとパニックを起こしてしまう。
おそらく人間で言うとアルツハイマーの様な状態とのこと。

最初に作ったたみカーにも乗りたくないようで、乗せようとすると暴れたり、乗せたとしても曲がった顔が左側面の柱に当たってしまい、とても危険…。

そこで試作を重ねて作ったのが、たみカー第2形態。

  • 顔が左を向いても安全かつ左を向きすぎないようにストッパー機能搭載
  • 真っ直ぐの歩行ではなくスムーズな回転を重視
  • 体に負担がかからない
  • 足がひっかからない

以上の点にポイントを絞り、たみが亡くなる10日前に完成させたたみカーが↓これ。

塩ビパイプのジョイントを組み合わせ組み合わせ作ったので少々ゴツくなってしまいましたが、たみちゃんはこのたみカーで最期の最期までグルグル回っていました。

本当に作って良かったと思うけれど、ひとつ心残りがあります。

塩ビパイプのジョイントがやっぱりどうしても小型の老犬にとっては少し重そう。

それで私、もうちょっと軽量化出来ないかと考えて、たみが亡くなる数日前に塩ビパイプを曲げて加工することに成功してたんですね。

それはすぐにたみカーの顎乗せのパーツとして取り付けたのですが、やっぱり綺麗です。

よーし!母ちゃん曲げまくるぞー!

なんて思ってたらたみちゃん死んじゃって…。

なのでこの情報、無駄にしたくないので塩ビパイプを曲げる方法も交えて歩行器の作り方をお伝えします。

私は中学高校時代の技術の成績が本当に良くて、日頃からちょっとしたものなら作ります。
工作苦手だったり、オーダーから完成までの時間的な猶予がある方は、実績のある信頼出来そうな犬の車椅子屋さんでオーダーするのが確実です。

犬の歩行器(4輪)の作り方

歩行器が必要になった犬の状況には個体差があると思うので、歩行器の形状についてはその子その子の特徴に合わせて作ってあげたらいいと思います。

たみは↓こんな感じで、顔が下に落ちないように顎乗せを設置、首がのけ反らないように、顔を横に曲げた時に固いところにぶつけて怪我をしないように、前に進むのではなくその場で回転するように設計しました。

今回完成した新チヨカーは、主に後ろ足を支えつつ前足もサポートする形状。
車椅子ごと転倒しないように前輪後輪ともに少し外側に曲げました。
後ろに一本ついてる足は体重のかけかたによってひっくり返らないように念のため。

たみカーで使っていた部品を再利用している部分もあるので他の部品もついていますが、この歩行器を作るにあたって必要なジョイントはTSチーズを6個。
あとは普通の塩ビパイプを買ってきてカットしたり曲げたり。太さはVP管13Aサイズです。

塩ビパイプやジョイントはネットで購入すると送料の方が高いのでホームセンターで買った方が絶対安いです。
私はたみカーに使ったジョイントは一部モノタロウでも注文しました。

真ん中のU字に曲げたパーツは歩行器がバラバラにならないようにするための大事な部分。

ピンクでなぞった部分に曲げ加工を施しました。
曲げなかったら全部ジョイントでどうにかしないといけないのでちょっと重くなってしまうかな?と思います。

実際にはこのまま乗せるわけにはいかないので、ベルトや布などで犬を固定する部分を用意します。

ちなみに私は技術の成績は良かったものの家庭科の成績はズタボロだったので縫物は大嫌い。
布の部分はセリアで買ったネックウォーマーと娘のキティちゃんの毛糸のパンツに穴を開けてマジックテープタイプの結束バンドで固定しました。

これでいいのよ。こんなに嬉しそうに歩いてるんだから。

チヨはハーネスのようなものに前足を通すのが大嫌いなので胸の部分をセリアのネックウォーマーに乗せているだけですが、乗ってくれそうな子は前足も輪っかに通す形にした方が安定しそうです。

たみカーは4本足全部を穴に通してハンモックのような感じにしていました。

歩行器の高さは色々試してみましたが、たみカーみたいに体高よりも高くするとハンモックみたいにウトウトするのにも楽そう。

チヨは今のところチヨカーで寝る事はなく、「ご飯を食べる」「ちょっと立ちたい」時の支えと歩行補助が目的なので、体高よりも少し低いくらいの高さにしています。

塩ビパイプの曲げ方

肝心の塩ビパイプの曲げ方について。
塩ビパイプは大体60~80度くらいの熱を加えれば曲がります。

バーナーで炙ったり、ヒートガンを使えば曲げることが出来ます。
ヒートガンは安いものなら2000円前後から売っています。
私は↓これを注文しましたが、たみちゃんが死んじゃった翌日に届きましたよ(お通夜モード)。

で、まずは使ってくれるかどうかお試しで歩行器を作ってみたい、工具にお金をかけるくらいなら介護用品を買いたい方にご紹介したいのが、蒸気で熱する方法。

塩ビパイプをやかんで曲げる

台所のガスコンロの火で炙れば曲がりますが、変なガスが出たり炙り過ぎて溶けたら怖い…。

というわけで考えたのが、やかんから出る蒸気で熱してしまおうという方法。
これはもともと水槽のフィルターを自作する際にアクリルパイプを曲げる時によく使われる方法です。

まず最初に曲げたいポイントに油性ペンでしるしをつけます。

熱してただ曲げただけではパイプの中の空洞が潰れてしまうので、塩ビパイプの内径に合ったサイズの塩ビパイプベンダーを通します。
これは固い縄とかでも代用できますが、ベンダーがあった方がいいかな。

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やかんでお湯をわかし、蒸気がたくさん出てきたらしるしの回りを熱します。
熱湯をかけてもいいと思うけど、蒸気の方がおすすめ。

曲がるようになるまでは少し時間がかかりますが、力を加えて↓このくらい曲がるようになれば徐々に曲がりやすくなってくるので、熱して曲げて熱して曲げて…を繰り返し、希望の角度まで曲げていきます。

最終的には↓こんな感じ。

この曲げ加工が出来れば、L字のジョイントをひとつ省けるわけです。
馬鹿力出してがんばってください。

曲げ加工が出来たからといって三又にしたい箇所などにはジョイントは必要。

塩ビパイプは力を嵌め込めばしっかり嵌るので、最初は接着剤は使わずに微調整しながら歩行器の形を決めていきます。

  • ここは絶対に外さない
  • 足回りなどをしっかり固定したい

という場合は、塩ビ用の接着剤で固定します。

うちにあるのは大きいのですが、歩行器だけなら少量で十分。

車輪・キャスターについて

チヨもたみも歩行器で外に行くことはないので、キャスターは適当なサイズのものを接着剤でつけただけ…。
キャスターは360度自在タイプのものが良いです。

キャスターなど塩ビ以外の素材の部品はセメダインスーパーXを使いました。

後輪に使用している車輪は子供用自転車につける補助輪の一番小さい12インチを使用。
これも余裕があったらたみカーにつけたかったのですが使えないまま…チヨカーで使う事が出来ました。
補助輪は自転車に取り付けるための金属のパイプも付属していますがそれは使わず、径の合うネジを塩ビパイプのT字のジョイントに通して取り付けました。
ネジの長さに合わせてジョイントの両端は少し短くカットしました。

あると便利な工具など

自作歩行器を作る際に私が使用した工具等をまとめると

  • パイプカッター(のこぎりで頑張れば切れるけどあった方が確実に捗る)
  • ヒートガン(蒸気で熱したら曲がるけどあった方が確実に捗る)
  • パイプベンダー(わざわざ買わなくても塩ビの内径と同じくらいの固い縄を通してもいい)
  • 塩ビ用接着剤(よくくっつく接着剤があればなくてもいい)
  • キャスターを固定する接着剤(キャスターの形状次第で必要であれば)

私は最初、塩ビパイプも切れる!というのこぎりで切っていましたが、大変で大変で泣きたくなりました。
そんなある日夫の工具箱でパイプカッターを見つけ、盗んで使ってみたらラクチン過ぎて涙出た。

ヒートガンもあると本当に便利です。

でもこの先の人生で塩ビを曲げる機会はもうないだろうと思う場合はやかんでお湯沸かして蒸気で曲げるのも全然あり。
試しにやかんで曲げてみて、これは嫌だと思ったらヒートガンに手を出してもいいんじゃないかな?と思います。

以上、本当にあってよかった!それなのに売ってない介護用品のトップ3には確実に入る介護用歩行器の作り方(主に塩ビパイプの曲げ加工)についてご紹介しました。

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