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犬の咳の原因は気管虚脱と判明。手術以外で維持する工夫【我が家の場合】
チヨ(2001年生まれパピヨン)は、13歳のある日、咳が止まらなくなりました。
舌が紫がかるほど呼吸が苦しそうで、ゼェゼェ言っています。
急いで動物病院に連れて行き、診察・レントゲン撮影を受けました。
心臓の音は問題なくレントゲンでの異常も特に見られないので、一過性の気管支炎を疑い、気管支拡張剤を処方されました。
その時にひどい症状は落ち着き元気になったものの、その時を境に吠えた後や興奮した時にゲハゲハと咳をするようになりました。
その後の定期検診や予防接種の際などにも診察はしてもらっていましたが、特にこれといった異常は見られず、子犬の頃にかかったケンネルコフの後遺症の恐れもあるという話も聞きました。
2年後、15歳になったチヨは咳の頻度が少しずつ増えてきました。
心臓に問題がないか調べてほしいと健康診断に連れて行ったところ、2年前と同様心臓の音は問題なし。
ただ、レントゲンにははっきりと異常が写りました。
気管虚脱
これがチヨの病名です。
診断されてからは投薬や調子の悪い時は治療を受けるなど、日々のケアなどを行いながら維持してきました。
そして18歳の夏、1年ぶりにレントゲンを撮ったところ、何故か気管虚脱が大幅に改善し、細く潰れて写っていた気管がほぼ普通の太さに戻っていました。
一体何が良かったのかはいまいちはっきりとはしませんが、チヨの日常のケアや継続して行っている治療・診察についてお伝えしようかなと思います。
犬の気管虚脱の症状
気管虚脱と診断された頃にチヨに出ていた症状は、咳。
目が覚めて起きた時、吠えた後、トイレに行って帰ってくる途中、私が帰宅しておかえりと喜んだ時などに起こります。
自分で動いてみたら分かりますが、立ち上がって数歩進むだけでもただじっとしている時と比べると、健康体であっても当然呼吸が少し乱れます。
チヨはこういう時に咳が出ている様です。
もしチヨの咳が心臓の不調からくるものならば、投薬などの治療法があると思い受診したのですが、診断は気管虚脱。
犬の具合が悪くなって病院に連れて行ってもその場では症状が出ないなんてことはよくありますが、チヨの咳は診察室でも常に出ていて、「これは多いですね」と獣医さんから言われるほどでした。
レントゲンは「吸気」「呼気」の2種類を撮影し、吸っている時(吸気)の気管は黒くホースのような形に見えますが、吐いている時(呼気)の気管はホースを指でつぶしたような形がはっきりと見えました。
犬の気管虚脱の治療法
気管虚脱を根本から治すには外科手術が必要になります。
かかりつけの動物病院は地域でも大きい病院ですが、気管虚脱の手術は行っておらず、他の病院を紹介してくれるそうです。
ただ、獣医さん曰く、専門病院を紹介しても「手術が出来なかった」と戻ってくる患者さんも多いのだとか。
その理由は高齢で手術自体が受けられなかったり、気管虚脱の場所が喉に近い方なら手術出来ますが、肺に近い方だと難しいとのこと。
チヨの場合、高齢で、しかも肺に近い方が潰れているので手術という選択肢はありません。
それに麻酔や手術の負担を考えると、悪化させず少しでも症状を緩和させる方法を選びました。
同居犬たみの腎不全と同様、病気とうまく付き合いながら穏やかに本来の寿命を全うさせたいというのが飼い主の願いです。
手術以外の気管虚脱の治療法
気管虚脱の手術を受けない場合は、内科的治療を行います。
といっても「気管虚脱に効く薬」というものはありません。
気管支の炎症を抑える薬や、気管支拡張剤、症状に応じてステロイドを投与し、効けば良かった、効かなければ次の薬という手探りの治療を行います。
犬の気管虚脱に処方された薬
気管虚脱と診断され、病院で処方された薬は以下のとおりです。
※薬に関しては我が家のかかりつけの先生から聞いた話なので獣医さんにより意見が違うかもしれませんが、参考までに記録しておきます。
・テオドール
気管支拡張剤です。
気管ではなくその先の気管支に作用する薬なので、これで効いたらいいねという感じ。
チヨの場合はそれなりに効果があり、しばらくの間はテオドール(50mgを1日2回)のみで維持していました。
副作用が出なければ飲んでおくと安心だと思います。
・コデインリン酸塩散
これ、どこかで見たことがあると思ったら、人間の強めのせき止めに入っている成分と同じで麻薬の一種。
自分も咳の風邪の時に飲むので効き目は体感していますが、小さい老犬に大丈夫なのかな?と不安もあります。
テオドールと同時に服用したのでどちらの効果かは定かではありませんが、1回飲んだだけで驚くほど咳が引きました。
この薬はテオドールと同様2週間分1日2回飲ませるように処方されましたが、上記の理由からあまり飲ませたくないのと、粉薬を嫌がったので結局1回しか飲ませていません。
再診時にこれを咳がひどい時の頓服として飲ませても良いか聞いたところ、咳を鎮めるためになるべく継続して飲ませる薬なので、嫌がって逆に咳が出るなら飲ませない方が良いとのことでした。
というわけで今のところ1回飲ませたきり。
・ブトルファノール
粉薬を飲まない&咳がひどい時の鎮咳剤(頓服)として処方されたのが、ブトルファノール注内服(1回1ml、1日2回まで飲ませて良いらしい)。
成分はコデインと同様麻薬のようなもので、効き目はブトルファノール>コデインらしい。
飲ませると咳が止まると同時に眠ってしまいます。
眠気がかなり強い薬の様子。
というわけで基本的には普段はテオドールのみ、咳が目立ってきたなーという時はコデイン、ちょっとひどいから受診するまでの一時凌ぎのためのブトルファノール。という使い方です。
病院でステロイドを注射すればかなり楽になるそうなので、おかしいと思ったら早めに受診するようにとのことでした。
これとは別にチヨは嚥下運動が鈍いので、痰をサラサラにする薬(ビソルボン)を毎日内服しています。
ちなみにチヨの気管虚脱の症状は改善し始めたので、デオドールや鎮咳剤の服用は途中で中止しました。
酸素室
一時期症状がひどく、一日中息を苦しそうにしていたことがあります。
そんな時は動物病院の酸素室に入れてもらうと少し楽そうにしていました。
もし毎日必要になった場合は動物病院で酸素室のレンタルを紹介してくれるとのことです。
チヨは気管虚脱とは別に老齢性の発作を起こして喉に粘液を詰まらせることがこれまでに数回ありました。
もともと嚥下運動が鈍いこともあり、吐いたものを詰まらせたり、ご飯を詰まらせたり…そんなトラブルを抱えている子です。
酸素室をレンタルするほどではないものの、発作時は呼吸困難から肺ヘルニアにもなったことがあるので、我が家では携帯酸素と吸引機を常備しています。
気管虚脱とは直接関係のないアイテムかもしれませんが、呼吸器トラブルを抱えている子の飼い主さんはこういったアイテムがあることを知っておくと良いかもしれません。
与えているサプリメント
ひどかった咳が落ち着いてからは症状が出た時の頓服としてテオドールを飲ませる事で維持することにしましたが、日常的に何か出来ないかな?ということで獣医さんに相談の上でサプリメントを与える事にしました。
チヨの場合、このサプリメントがすごく合っていて、良い状態で維持出来ているように思います。
ただ、気管虚脱は、先天的、何らかの炎症、加齢によるものなど原因には個体差があります。
気管虚脱を完治させるには外科手術しかないと言われていますが、チヨのように高齢になってから発症した場合にはサプリメントを使うことでうまく維持できることもあるのではないかなというのが個人的な感想です。
現在チヨは健康維持のためにいくつかのサプリメントを与えており、その中でも気管虚脱に良いかな?と感じているサプリメントをいくつかご紹介します。
主に老犬の弱った足腰に良いとされるものですが、足腰関節のサプリメントは「弱った軟骨(気管)に良い」と、当時の担当の獣医さんから聞きました。
コセクイン
「コセクイン」は、グルコサミン・コンドロイチンのサプリ。
カプセルとタブレットがあり成分量が微妙に違いますが、あまり違いは感じないので与えやすい方で良いかなと思います。
カプセルは中身を出して、タブレットは乳鉢で砕いて与えています。
コセクインは、与えているサプリメントの中でもチヨの気管虚脱には一番良い気がします。
足腰の調子もどっしりといい感じなので、これからも続けるつもり。
オメガ3オイル
そして関節軟骨に良さそうなサプリ繋がりで気管虚脱にも良い気がしているのが、オメガ3オイル。
犬用でも色々売っていますが、チヨは人間用の「ウルトラオメガ3」を2,3摘、朝ご飯に混ぜて与えています。
SAMe(S-アデノシル-Lメチオニン)
胆泥症の対策のためにSAMe(S-アデノシル-Lメチオニン)が含まれたサプリメントを飲ませ始めたのですが、S-アデノシル-Lメチオニンには肝臓への作用の他に、関節の抗炎症やグルコサミン・コンドロイチンの作用を補う働きもあるとのこと。
SAMeと関係があるのかどうかは全く分からないのですが、1年前のレントゲンでは気管虚脱がやや進行した状態だったのが、SAMeが含まれる「SS酵母」というサプリメントの服用を開始して3ヶ月後のレントゲンでは普通の気管に戻っていました。
たまたまなのか日頃から服用している他のサプリのおかげなのか、チヨがとうとう妖怪になったのかは分かりませんが、これはさすがに驚きの検査結果でした。
これまでもSAMeが含まれているというふりかけサプリメントを使っていましたが、肝臓の数値の変化を見てもチヨにはSS酵母が合っているのかなと思います。
SAMeはビタミンB12と一緒に摂取しなければならないので、病院で処方してもらっています。
アンチノール
アンチノールを飲ませていた時期もあります。
私は公式サイトの定期購入にしていますが、動物病院コードを使うと少し安く購入できるので、まずはかかりつけの病院で相談してみると良いと思います。
チヨの場合はアンチノールよりもコセクインが良さそうに思えたのと、上でご紹介したオメガ3オイルを使い始めたのでやめてしまいましたが、「関節、皮膚・被毛、心血管、腎臓の健康維持に」とのことで、気管虚脱にもいいと聞きました。
動物病院か公式サイトで購入出来ます。
気管虚脱には「パンフェノン」というサプリメントも良いと聞きますが、まだ使ったことはありません。
グルコサミン・コンドロイチン・SAMeが全部含まれている「ハッピースキップ」というサプリメントもありますが、こっちもまだ使ったことはありません。
チヨが現在飲んでいるその他全てのサプリメントは以下の記事でご紹介しています。
気管虚脱の犬の日常生活
人間でも気管が弱い人はたくさんいますから、同じように咳が出やすい環境を排除する努力をするのが、飼い主が犬にしてあげられる治療だと思って日々気を付けています。
特に温度湿度の急激な変化には注意をして、年間を通して一定になるように夏は除湿器・冬は加湿器を稼働させ、ほぼ一年中24時間エアコンをつけています。
だからチヨちゃんと一緒にいると、とっても快適。
使用している加湿器は「象印のスチーム式加湿器」、除湿器は「コロナのコンプレッサー式除湿器CD-P63A」です。
温度・湿度調節以外では、前述の吸引機や携帯酸素を常備して急な時に備えています。
出来る限りのことはして、ゆるゆると穏やかに長生きしてほしいです。
以上、チヨの気管虚脱のお話でした♪