健康・飼育【猫】 腎不全治療記録・情報 腎結石・腎臓病

猫の尿管結石・手術なしで回復した記録【腎後性急性腎不全からの回復】

ちょうど2年前の2019年10月に左腎臓委縮・右腎臓に結石による慢性腎臓病と診断されたとらじ(猫6歳)。
毎月の検診を欠かさず受けて、今月も横ばいで2年目を迎えられてホッと一安心♪と思った9日後、大波乱の数日間が訪れました。

いつものとらじの検診結果→猫の腎臓の数値の記録【慢性腎臓病・腎結石の血液検査*2021】

結論から言うと、

  • 右腎臓から落ちた結石が尿管に詰まり閉塞
  • 腎数値が急上昇し、急性腎不全(腎後性急性腎不全)に
  • いくつかの選択肢の中から開腹手術を選び、診断から2日後に二次病院を受診
  • 尿管の石が膀胱に落ちて急性腎不全から回復していた!

という先生も驚きの奇跡のお話です。

尿管閉塞からすぐに受診したことで経過のほとんどを追えたので、今後のとらじと自分のための記録としても残しておこうと思います。

異変に気付いた時【10月10日・尿管閉塞】

何となくおかしいな?と思ったのは、10月10日の日中。
普段よりも尿量が少なく感じました。

とらじは生まれつき下半身に麻痺があり、尿意が自分がはっきり分からないことと、私としても毎回の排尿を確認したいので膀胱を触って溜まっていたらトイレに連れて行っています。
それが今日は溜まるのが何となく遅い気がして…。
それ以外はいつもと変わらず普通に過ごしていました。

夜22時頃、夕飯を全部嘔吐。
毛玉などが原因で吐くといつもはケロッとしてまた何か食べたがるのですが、この時はいつも寝る前に飲んでいる水分補給スープを飲んだもののそれもまた嘔吐。

結局朝まで吐くものがなくなっても何度も胃液を吐き、私のそばで寝ようとしました。

膵炎?とも思いましたが、とらじの左腎臓委縮と腎臓病が分かる半年前にくらいにも同じように何となくおかしい日がありました。
あの時に様子を見たから左の尿管が閉塞して腎臓委縮に繋がってしまったんだろうなという自責の念が。

尿管結石・急性腎不全と診断された時【10月11日】

朝になるととらじは私にたくさん話しかけて目力もあるし、何だか普通。

病院どうしようかな…と悩んだけれど、やっぱりあんなに吐くのはおかしいので受診。

「私の勘で、もしかしたら尿管が詰まったかもしれない」とも話して検査を依頼。

検査結果は最悪でした。

  • クレアチニン9.5(基準値0.8~2.4、とらじはいつも2.8~3くらい)
  • BUN65(基準値16~36、とらじはいつも正常値内)
  • リン5.2(基準値3.1~7.5、とらじはいつも3.8~4.4くらい)

右の腎盂拡張、尿管の上の方に結石が写りました。
おそらくこれまで検査の度に動いていた石が落ちて詰まったのだろうと。本当に詰まりたてのような状態。

ここで先生から提案がありました。

  1. 開腹手術で尿管から結石を取り出す(片方の腎臓が動いていないので手術のリスクはある)
  2. 点滴を流して石が流れることを祈る(完全に閉塞していればリスクの方が相当高い)

①なら尿管を切開して取り出す手術の他にSUBシステムもあるものの、これまで多くの症例を見てきた先生としてはあまりおすすめはしないし、今のとらじには適応ではない。
尿管を切開してすぐは傷から尿が漏れることがあるので傷がふさがるまでは腎瘻チューブから排尿、傷がふさがれば腎瘻を外す処置をする。
幸い紹介する二次病院での尿管結石の手術成績はとても良い。

②なら手術しない分負担は少ないが、ある意味賭けのようなもので尿管が閉塞していれば腎盂が更に拡張して致命的なリスクを負う可能性がある。

悩みに悩んで結論が出ず、「先生ならどうしますか?」と聞くと、先生なら①を選ぶとのこと。だから最初に説明してくれたって。
ただし手術にかかる費用は相当なもので、二次病院に確認してもらったところ一度の手術で済めば40万円くらい、入院中に再手術になれば70万円くらい。
普通持ち帰りで家族会議案件になるような話だけど、どうせ持ち帰っても私の決断にありがたいことに家族は反対しないだろうから…。
でも手術のリスクについてすごく悩んで、ふととらじを見たらお目目キラキラでこっちを見てて、全然弱るつもりなんてなさそうで。

その場で手術を決めて二次病院に予約を入れてもらいました。
手術は10月13日。明後日。
今日は夕方まで病院に預けて腎盂の状態を見ながら静脈点滴をしてもらうことに。

以前は3日くらい点滴治療をしてから外科手術に臨むのがスタンダードだったそうだけど、今は発覚から24時間以内に手術をすることが多いのだとか。
予約明後日だけど大丈夫なのかな…。

夕方お迎えに行くと、とらじの様子はあまり変わらず。
午前中から点滴を始めて、お昼頃一度超音波で見たところ腎盂の拡張が見られるしおしっこも作られていないようなので、吐き止め入りの点滴の量をすごく減らして夕方まで続けてくれたのだとか。

夕方のエコーでは何となく膀胱付近の尿管にも白い影が見えるような…と、先生。
痛み止めの注射をしてもらい、先生は明日お休みなので、なんだかお通夜モードで挨拶して今日の診察は終わり。

お薬は一度全部休薬。特にフォルテコールは脱水させるので即休薬。

この日のTwitterのつぶやき

帰宅後、朝から何も食べていなかったのでシチュー缶を少し食べました。

膀胱を触ってもなかなかおしっこが溜まらない。
トイレに連れて行っても唸って座り込んで出ない。

おしっこ作って出そうね…

いつも点滴がおしっこになるまでに時間がかかるから、今日おしっこ少なめなのは流動食を休んでいて経口補水量が少ないせいだと思いたい。

午前3時、ものすごく薄いけどそれなりの量は出せたみたい。

完全閉塞ではなく、辛うじて少しずつ腎臓でオシッコを作って更に少しずつ尿管を通ってきてるのかな。

状況が変わったかもしれない【10月12日】

朝のとらじは少し元気ない…。留置針も嫌みたいで齧る。ズレてないかなぁ…。
今日も検査するなら朝ご飯抜いた方がいいですか?と聞いたら、食べられるものを何でも食べさせていいとのこと。
「食べられるものを何でも」それだけピンチなんだよね。

朝ご飯を食べて、おしっこは少し膀胱に溜まった。

「15歳からのメディファス スープパウチ」、これはとらじが毎日寝る前にお湯で薄めて水分補給のために飲んでる。
今日は薄めずにあげたら、

とらじ
こんなにおいしいの!

ってよく飲んでくれた。
メディファス様ありがとうT_T

朝一で受診。
数値は軒並み上がっていました。

  • クレアチニン:昨日9.5→今日13.5(基準値0.8~2.4、とらじはいつも2.8~3くらい)
  • BUN:昨日65→今日103(基準値16~36、とらじはいつも正常値内)
  • リン昨日5.2→今日9.3(基準値3.1~7.5、とらじはいつも3.8~4.4くらい)
  • カリウム:5.6(基準値3.5~5.8、とらじはいつも4.5くらい)

今日は代理の先生で、お休みの担当の先生にも電話してくれて、点滴どうするかなぁ…としばし悩んで私の希望もあり皮下点滴を60mlだけしてもらうことに。
カリウムが普段より高くなり、基準値上限ギリギリなので輸液は生理食塩水に変更。吐き止めの注射も。
リンが急上昇したのでホスレノール処方。

家に帰ってからのとらじ

時々自分でベッドから降りて、爪とぎしたりまた戻って毛づくろいしたりスリスリしたり。

15時、自分でトイレ行った。 圧迫しないと出ないけど、今まで尿意自体分からなかったみたいだから良かった。
無色透明。老廃物は出せてないね…

同居犬つるちゃんの散歩から帰ったらとらじが普通に歩いてて、急いでベッドに戻った。元気?

18時、おしっこでたー!

おしっこ出ないのに点滴したら過水和になるからダーメ!って言われてるから、すごく慎重に調整してくれてたけど不安で不安で…。
おしっこが出るようになってきて良かった。いつも以上に薄いのがすごく気になるけど。腎臓のダメージ少なめで、手術後はちゃんと機能が戻るといいなぁ…。

ホスレノール以外の薬は全部中止にはなったけど、リンが高いし少しでも腎臓の助けはしていたいのでサプリメント類は継続。
レンジアレンとネフガードも追加。

ここでちょっと異変が…

20時。今度はすぐにおしっこが生産されるようになって、なのにトイレで自分で踏ん張っても出てこなくて圧迫排尿。
寝てる間にベッドにもじんわり漏れてた気がする。

食欲もすごい。

おしっこどんどん出てきて尿崩症じゃないかしらと心配だし、自分でおしっこ出せなくなってるのも謎だし、寝てる間にやっぱりじわりと漏れててお尻びしょびしょだし、出てるわりにお腹張ってるし、どうなってるの…。

お風呂入ってたらお父さんからLINE。

急いで出て助けに行ったら、

とらじ
僕はおしっこだと思うよ!

ってスリスリされた。さっき出したのに膀胱にまたすごい溜まってた。結石がうまいこと流れてたりしないかなぁ…。こんなに出ると脱水が心配。さっき珍しくお皿から水飲んでたし。

手術前提で二次病院を受診【10月13日】

早朝から歩き回ってごはん欲しがったりマッサージしてほしがったり。 おしっこはやや溜まってるけど昨夜ほどではなくなった。

夜中に自分でトイレでおしっこしたような形跡がある。
吐かないしご飯欲しがるし普段のとらじと全然変わらなくて、一昨日吐かなかったら異変に気付けたのだろうか…って思う。

🐱僕、治ったんじゃない?

なんだかすごくケロッとしたとらじを連れて、いざ二次病院へ。

術前検査でお預かり。緊張してたけど、いつもの病院じゃないから🐱あれ?お出かけ?って顔。
検査だけで16とらじ(1とらじ5000円←譲渡費用)。

おそらく手術にはなるけど手術に耐えられるかどうかも含めて検査するとのことで、一応「もしかしたら昨日からおしっこがじゃんじゃん出ているので状況が変わってるかも」とお伝え。

最高の医療を希望するとか、出来るだけのことはしたいが限界はあるとか、飼い主が求めることだけとか、事前にアンケート。
真ん中のにした。 最高の医療が本人のためとは限らないから、治ったら出来るだけ家にいさせたいと思う。

3時間後、病院から呼び出しの電話があり、迎えに行くと何故かバッグに入ったとらじを渡されて待合室でしばし待つ…。
もしかして手術出来ないほどの状態なんじゃ…とか悶々と。

しばらくして先生からの説明。

「手術必要ないですね!」

!!!

おそらく私の言う通り昨日の夕方結石が膀胱に落ちたのだろうとのこと。
尿管には何もなく、膀胱に石が見えるように。
腎盂の拡張もなく、血液検査の結果も少し改善。おしっこが流れたならこれから数値も戻るだろうとのこと。

  • クレアチニン:11日9.5→12日13.5→13日5.29(基準値0.8~2.4、とらじはいつも2.8~3くらい)
  • BUN:11日65→12日103→13日77.4(基準値16~36、とらじはいつも正常値内)
  • リン:11日5.2→12日9.3→13日5.4(基準値3.1~7.5、とらじはいつも3.8~4.4くらい)
  • カリウム:12日5.6→13日4.4(基準値3.5~5.8、とらじはいつも4.5くらい)
  • 血清アミロイドA:13日28.97(基準値~5.49)

今後の治療についてはかかりつけで相談するようにとのこと。
万が一今後同じような事が起こった時に今のとらじの全身状態なら手術可能だそう。

帰宅後のとらじ

朝ご飯抜きなのでお腹すいた。

こんなつるつるのお肌にされちゃった…かわいい。

まだ数値は高いから点滴少なめに一日おき。
皮膚の感じがしおしおのおばあさん犬たちと同じ。脱水してるなぁ。

腎後性急性腎不全について調べた。

「急性腎不全は発症→乏尿期→利尿期→回復期に分類されます」

まさに!今はとにかく脱水をどうにかして回復させないと。

リンがまだとらじにしては高いのでホスレノールはやめたけどレンジアレンは継続。

とらじは直接口の中に投薬出来るけど今は出来るだけ不快な事は排除したいのでレンジアレンを練り込んだメディボールに錠剤を入れて。

とらじ
おいしおいし

かかりつけの病院を受診【10月17日】

15日に担当の先生から電話をいただき、すごく喜んでくれて私の嬉しさも倍増。
慌てて必死で調べた急性腎不全の回復期までの流れもパッパと説明してくれて、やっぱり先生は「先生」なんだなぁって思いました。
チヨたみの時も今回のとらじも、危機を脱して喜んでると必ずいつも先生が「お母さまの力があったから…」と言ってくれます。
私は私でうちの子の運と底力と先生の的確な判断と治療のおかげと思ってて。 両思い(笑)
フォルテコールは休んだ方がいいけれど、ラプロスは再開しても大丈夫とのこと。

点滴は毎日50~80ml、脱水の具合を見ながら量を調整。

14~16日は吐かないしご飯は食べるし、おしっこが溜まっても自分でうまく出せなかったりで圧迫排尿を何度かしていたら自分で出せるようになってきたり。

全身パニックになっていた状態から少しずつ正常に戻っている感じが分かりました。

日に日に調子が戻っているみたい。私はずっと不安だけど。

そして今日、かかりつけの先生の受診。

超音波で見ると腎盂の拡張はなし。
腎臓の炎症なのか治りかけなのか腎盂がモヤモヤっと見えにくくなっているので、落ち着くまでは毎週検査して経過を追うことに。

膀胱には今までなかった結石の影が2つ、大きいのと小さいの。

血液検査はなんとすごく改善。

  • クレアチニン:11日9.5→12日13.5→13日5.29→17日3.3(基準値0.8~2.4、とらじはいつも2.8~3くらい)
  • BUN:11日65→12日103→13日77.4→17日29(基準値16~36、とらじはいつも正常値内)
  • リン:11日5.2→12日9.3→13日5.4→17日3.8(基準値3.1~7.5、とらじはいつも3.8~4.4くらい)
  • カリウム:12日5.6→13日4.4→17日4.7(基準値3.5~5.8、とらじはいつも4.5くらい)
  • 血清アミロイドA:13日28.97→17日3.75(基準値~5.49)

これまでの経過から推測すると、

  1. 11日午前に受診→尿管の腎臓近くに結石①が見える
  2. 11日夕方、静脈点滴後の超音波検査の際に尿管の膀胱近くで見えた結石らしきものがおそらく少し先に進んだ結石①
  3. ~12日午後までそのまま詰まり続け、数値上昇。拡張した腎盂・尿管に小さい結石②も落ちる
  4. 12日夕方結石が2つとも膀胱に落ちて尿管開通

みたいな感じじゃないかね?と先生と話しました。

今回本当にラッキーなことで、病院でもこんなケースはほとんど見られないのだとか。
異変にすぐに気付いたこともだけど、先生がすぐに検査をして異常を見つけてくれたこと、適切な量で静脈点滴をしてくれたこと、二次病院の予約が希望よりも遅く2日後になったこと、とらじの運などあらゆる条件が良かったんだなって。

「チヨたみちゃんの奇跡の連発もだし、とらちゃんも。お母さま動物の神様とか憑いてるんじゃないですか?笑」って、先生。
「前世で徳を積んだかしら?」なんて笑って話せる結果になって本当に良かったです。

まだクレアチニンが高く、これからもっと下がるのか、今回のことで腎臓がダメージを負ってひとつステージが上がったかは今後経過観察していくことに。
今日からまたお薬再開。点滴は来週の再診までは毎日80mlずつ継続。
薬も全部再開して、レンジアレンは一度中止。

とんちゃんがんばったね!

今後のこと

今後はこれまで通りのお世話と、膀胱結石への用心が加わった感じ。

膀胱がいっぱいなのにおしっこが出ない時はすぐに受診。
腎結石のほとんどはシュウ酸カルシウムなのでストルバイトのように溶けるなんてことは期待せず、膀胱に落ちた石がこれ以上育たないことを全力で祈りつつ。

もちろん今回のような違和感に気付いたら尿管結石を疑ってすぐ受診。

処方薬

  • フォルテコール(1日2回1/2錠ずつ)
  • ラプロス1日2回1錠ずつ)
  • ラクツロース
  • カルシトリオール(1週間1回1カプセル)

サプリメント

  • カリナール2
  • ウロアクト
  • コエンザイムQ10
  • オメガ3オイル
  • マイトマックススーパー
  • ネフガード(腎臓食以外の一般食で水分補給する時の毒素吸着用)

ちなみに普通の腎臓病なら3ヶ月に一度の検査でもいいくらいの数値のとらじです。
でも結石があるから毎月検査してて、それでも急な異変に気付けるのは飼い主だけで、異変に気付いたところで手遅れか、危ないけどまだ希望があるかって、そのくらいの差で…。
本当にこわいです。数ミリの石のために。

同じように体力のある若い子で腎臓に石を持ってる子の飼い主さんには少しでも早く気付いて受診してほしいと思います。
ただの胃腸炎とか、血液検査だけでちょっと腎臓病が進行したかな?と診断されて様子を見るんじゃなくて、もしかして石…?と思うなら、大げさでもいいから石が詰まったかもしれぬ!と検査を受ければ治療法も回復の可能性もあるかもしれません。

そしてまだ健康な猫さんたち、石が出来ないようにせっせと水分補給してください!と絶叫したい。

あともしもに備えて貯金しましょう。

みんな元気に楽しく長生きしようね。

関連記事

参考にしている論文・資料

腎臓病・腎結石の犬猫の家庭でのケアや獣医さんと治療方針を相談する上で私が参考にしている論文・資料です。
新しいものが見つかり次第随時追加しています。

-健康・飼育【猫】, 腎不全治療記録・情報, 腎結石・腎臓病