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アゾディル(犬猫の腎臓病用サプリ)飲ませ始めました
腎臓病の治療を開始して1年ちょっと経った頃、急激に体調を崩して(BUN162)余命宣告されつつも病院での治療と家でのケア、たみの持ち前の腎臓力(?)のおかげで立ち直り、迎えた腎臓病の治療2年目の春。
それまでBUN30~40台で維持していたBUNが50、クレアチニン2.3と、数値が上昇しました。
クレアチニンは余命宣告された際に2.2になって以来、初の基準値超えです。
皮下点滴、食事療法、投薬、サプリ、自宅での2時間おきの強制給水など出来る事は全てやっているので、獣医さんもあとは
たみちゃんの様子を見ながら方法を模索していくしかない
という状態。
そして食事療法と薬の内服だけの治療だった一年前と違うのは、点滴などの積極的な治療をする中で数値が上がったということ。
これは腎臓病が進行していると考えなければいけません。
そこでひとつ先生から提案があったのが、新しいサプリ「アゾディル」
アゾディルは2017年末に日本で認可された当時まだ新しいサプリで、周りの腎臓病仲間から聞くと「アゾディル?何それ?」な獣医さんもまだ多かった様ですが、アメリカでは既に腎臓病の治療に積極的に使われています。
アゾディルは3種類の善玉菌(ストレプトコッカス・サーモフィルス(KB19)、ラクトバチルス・アシドフィルス(KB27)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(KB31))が腸管内の窒素老廃物を栄養源として代謝する仕組み。
腎機能が低下すると、腎臓で濾過しきれずに血中に留まった老廃物が腸管に流れ込み、腸管壁から再び吸収される悪循環で、体内に老廃物が溜まりやすくなります。
その老廃物を餌として代謝する善玉菌が入った腸溶性のカプセルがアゾディル。
この腎臓で濾過しきれなくなった老廃物を腸内で処理する「腸腎連関」という考えは、人間の腎臓病治療でも有効であるとして研究が進められています。
既に日本で長く販売されているカリナールなども原理は同じです。
このアゾディル、実際にたみに与えて約1年が経ちました。
そもそも腎臓病自体不治の病なので、どのサプリも対策も薬でさえも、「これは効いた!」という劇的な効果はなかなか感じられません。
そんな中でアゾディルは個人的に良い!と実感したサプリなので、ちょっとご紹介します。
アゾディルを犬に与える際の難点
まず最初にアゾディルの難点をひとつ。
小型犬や猫に与えるにはカプセルがちょっと大きい。
↓比較画像。
上が腎臓病でよく使われるACE阻害剤フォルテコール。
下がアゾディルです。
実際のカプセルの大きさは、腎臓の薬、フォルテコールよりも一回り大きいかな?
強制給餌生活に慣れているたみにはそのまま口に放り込めていますが、小型犬だと好物などで包んで誤魔化せばどうにか食べてくれるかもしれないギリギリなサイズです。
飲まされるのを嫌がる犬猫が多いそうで、獣医さんは「出来る事ならアゾディルをどんどん飲ませたいのに難しい」と言っていました。
面倒ですが小さくしようと思えば、↓このようにできないこともありません。
大きな声ではおすすめ出来ませんが、↓このようにブチャっと潰してみたりして…。
このカプセル、なかなかしっかり頑丈で途中で溶けることなく腸まで届く仕組みに入っています。
腸まで届かないと意味がないので、カプセルから出してご飯に混ぜるのはナシだそうです。
そして食事の1時間くらい前にカプセルのまま飲ませるという説明ですが、実際に長く使ってみた感覚では1日の規定量をコンスタントに飲み続けて腸内に善玉菌を定着させられれば、食事の1時間前にこだわらなくても良いかなと思いました。
それよりもせっかくアゾディルを続けて整えた腸内環境を乱さない工夫=腸内環境を常に整えておく工夫が必要なのかなと感じます。
アゾディルを使う使わないに限らず、腎臓をケアする上で腸内環境を整えておくことは本当に本当に大事なことです(腸腎連関)。
アゾディルが逆に腎臓に悪いって…?
私はアゾディルありがとう!と思って生きていたのですが、ある日「アゾディルをはじめとする乳酸菌は腎臓に悪い影響を与える」といった質問掲示板の書き込みを見かけました。
私は良いと思ってるし、いずれ必要な時が来たら他の子達にも使おうと思っています。
ですがネガティブな情報を見ると何となく安心して飲ませられないような…。
腎臓病って後期になれば毎日が命がけで飼い主の判断・さじ加減ひとつで大きく変わってしまうような気がして、そんな時に気持ちに引っかかりを持ったまま使うのは嫌だなと。
というわけでアゾディルの販売元ZENOAQ日本全薬工業(株)さんに問い合わせてみました。
たみの治療で本当に助けていただいたので感謝を気持ちをしたためたら問い合わせ内容よりもそっちの方が長くなりましたが(笑)
使うからにはメリットだけでなくリスクも理解した上で使いたいとの私の問い合わせへの回答は
- 腎臓にダメージを与える作用は確認さ
れていない - 私が提示したネットの書き込みにあるTGF-βなどのサイトカインを活性化させるためには免疫系に働きかける乳酸
菌を長期にわたり摂取する必要があり、アゾディルは老廃物を餌として増殖する特別な菌株であ り免疫系への働きを期待しているものではなく、腎臓にデメリットはない
とのことでした。
他のサプリメントと同様、その子その子で合う合わないはあるとは思うし、真相はどうなのか分からないし、まだ分かっていないこともあるかもしれません。
ただ実際たみにはすごく良かったのは確かで、少なくとも周りの話ではアゾディルを飲んで悪化したという話は一切聞かないので、私はやっぱり自分のこれまでの経験とたみが見せてくれた姿を信じたいなと思います。
アゾディルの飲ませ方について
私のアゾディルの飲ませ方は↓こんな感じ。
といってもたみの場合は口を開けて喉の奥に放り込むだけ(前後にシリンジで水を飲ませます)
その後飲ませ始めた同居猫とらじも↓こんな感じで飲んでいます。
私は単なるアゾディル利用者なので、この方法で飲まない場合の得策はなんとも言えませんが、あとはピルポケットの様な投薬補助おやつを使うとか、腎臓用のウェットフードで包んで飲ませるとか、肉で包むくらいなら野菜で包んで飲ませるとか、試行錯誤するしかないかなと思います。
先日待合室でお喋りした飼い主さんはピルポケットで与えていると話していました。
「あの白いサプリすごいわね!」と言っていたので、ピルポケットを使っても、私と同じく効果を実感しているのだと思います。
やむを得ずカプセルから出して飲ませる場合は脂質が高めの食べ物と一緒に与えると良いと説明が書いてありました(アゾディルQ&Aより)
用量は体重3.1kgのたみは朝夕1カプセルずつ。保存は冷蔵庫で。
とらじはマイトマックススーパー
ちなみにたみの意思を受け継いで腎臓病(&腎結石)の闘病中である同居猫とらじは、「マイトマックススーパー」というシンバイオティクスサプリメントを使っています。
アゾディルは高価なので、まだBUNやリンが高くはないとらじには少し安価で扱いやすい(常温保存・カプセルから出して与えられる)マイトマックススーパーを選びました。
アゾディルと違い腎臓向けのサプリメントではなくあくまでもシンバイオティクスのサプリメントという位置づけであり、含まれている善玉菌の種類も違いますが、とらじにはとても良さそうです。
マイトマックススーパーはカプセルから出してもいいので、とらじはご飯に混ぜて与えています。
アゾディル服用後の血液検査結果
そして肝心のアゾディルを服用開始後の血液検査(BUN)の結果は、以下の通りです。
(アゾディル開始)
51mg/dL(2018年3月)
↓
50mg/dL
↓
(アゾディル開始1週間後以降の検査)
42mg/dL
↓
40mg/dL
↓
35mg/dL
↓
40mg/dL
↓
34mg/dL
↓
↓
↓
23mg/dL(2019年1月)
このように一度上昇したBUN(尿素窒素)の数値が一定まで下がり、長期にわたり維持できるようになりました。
※詳しい血液検査の記録は以下の記事に載せてあります。
アゾディルの他に週2回の皮下点滴とシリンジでの強制給水を行っていますが、それはアゾディル開始前から続けてきたこと。
アゾディルを始めてからは今のところBUNの値をそれなりに保てているので、「アゾディルいいかもしれませんねー」と診察室で盛り上がりました。
ネフガードのような吸着剤とは違うので、他の薬やサプリとの飲み合わせは特に気にしなくて良いとのことでした。
抗生剤を与える場合のみ4~5時間あけて与えます。
アゾディルの価格(病院・通販)
そして気になるアゾディルのお値段。
これが高い。
かかりつけの動物病院での価格は1錠160円(+処方料)でした。
楽天では90カプセル入りが12,000円ちょっとで売ってますね(1錠あたり140円くらい)。
続けて飲むならかかりつけの獣医さんの許可を得て楽天で買った方が長期的にはお得です。
ただ、カプセルが大きくて飲んでくれるかどうか分からないので、まずは病院で数カプセル分けてもらって試してから瓶で購入した方が無駄がないかなと思います
たみは2週間分出してもらい、飲めるかどうかの確認と血液検査の結果を見てから継続して飲ませることに決めました。
アゾディルは本当に飲ませて良かったサプリです。
興味のある方は獣医さんに相談してみてください♪
たみはアゾディルを飲み続けて約1年2ヶ月後(腎臓病の治療開始から約3年2ヶ月)に老衰で亡くなりましたが、最期までBUNが大きく上昇したり、嘔吐痙攣などの辛い尿毒症に苦しむことはありませんでした。
本当に使って良かったサプリメントです。アゾディルありがとう!
【参考】
Mark Rishniw, and Susan G. Wynn, “Azodyl, a synbiotic, fails to alter azotemia in cats with chronic kidney disease when sprinkled onto food,” Journal Of Feline Medicine And Surgery, vol. 13, no. 6, pp. 405–409, 2011.
Sawale, Somesh Athmaram, “Studies on Therapeutic Management of Renal Failure in Dogs,” 2015.
三島英換,阿部高明(2017).腸内細菌叢が腎臓病に与える影響―正と負の両側面から―日腎会誌59(4),557‒561.
三島 英換,阿部 高明(2017).見えてきた腸腎連関の存在 日本内科学会雑誌第,106(5),919-925.