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犬の腎臓病(腎不全)の食事を片っ端から試しました【治療3年目】
我が家の愛犬、パピヨンのたみは2016年~2019年の間、約3年2ヶ月にわたる慢性腎不全(慢性腎臓病)の闘病の末、老衰で旅立ちました。
この記事はたみの闘病中に「腎臓食を食べてくれなくて困っている飼い主さんの参考になればいいな」と思って書き始めたものですが、闘病を終えた今、私の思いなども交えつつ再編集しました。
たみが腎臓病と診断され、「犬の腎臓病は猫と違って予後が悪く、数ヶ月~1年くらい」と聞かされた時、
「腎臓病の進行を出来るだけゆっくりと穏やかに、本来の寿命をまっとうさせたい」と、私は強く願いました。
恐れていた尿毒症による嘔吐下痢や激しい発作を起こすことなく、その願いを叶えられたのは何よりもたみの生命力と頑張りですが、信頼のおける獣医さんと飼い主の連携がとれたことや、腎臓病の正しい食事療法を行ったことも大きかったと思っています。
たみが診断された頃と比べると犬の腎臓病の治療もかなり進歩したので、今更私の経験談を読むよりも腎臓病の知識がある信頼出来る獣医さんの診察を受けることが一番ですが、腎臓病と診断した時点で諦めてしまう獣医さんも少なくありません。
治療に行き詰ったり、あれ?と思うことが増えた時、セカンドオピニオンの先生に直接その子を診て触れて診断をしてもらう勇気も大事。
病気や高齢になるとセカンドオピニオンや転院はそう簡単なものではありませんが、セカンドオピニオンを受ける判断材料として、まずは飼い主が正しい知識を得て(頭でっかちになるという意味ではなく)、獣医さんの説明をその場できちんと理解して、愛犬の状態や今何が必要なのかを見極められるようになるための情報のひとつとして、たみの治療の経験談がお役に立てたらと考えています。
犬の慢性腎不全(慢性腎臓病)の食事療法
悪くなった(機能が低下した)腎臓を治す事は不可能で、腎臓病の治療=進行を遅らせるということになります。
その治療の肝となるのが、食事。
簡単に言うと、腎臓に負担をかける「たんぱく質」「リン」を抑えたドッグフード(療法食)を与え、場合によっては薬・サプリメントも併用します。
- 進行度合いや症状に合わせてカリウムやカルシウムなど他の栄養素にも注意する必要が出てくることもあります
- 手作り食の場合は腎臓に配慮した食材・栄養素に変更します
- 合併症によっては腎臓食に多く含まれる脂質が影響を及ぼすこともあります
腎臓病は食事療法がとても大切なのですが、専用の処方食が美味しくないとも言われますし、そもそも腎臓病により食欲が減退するというか…その両方かもしれませんが、腎臓病の子は食が進みません。
身体が食べ物を受け付けないなら、人間の食べ物でもいいから食べられるものを見つけて少しでもお腹に入れてあげる事は何よりも大事だと思います。
食べないからといって腎臓用の処方食ではなくいきなり普通のご飯を食べさせてしまうのは、せっかくの治療の機会を逃してしまっているようにも思います。
例えばたみの場合、ご飯の時間になると「ごはん!ごはん!」と大喜びするのに、処方食をお皿に出すとションボリ…。
手を変え品を変え与えようとしてもイヤイヤ…。
お腹が空いたら食べるだろうと思って放っておいても断固拒否…。
結果、激痩せしました。
たみの標準体重は3.2kgですが、2.5kgまでに。
当時の担当獣医さんは「食べないのが一番の悪」と言いました。
「処方食がベストなら、痩せさせない・普通食でも食べさせるのがベター」と。
この言葉は私の気持ちをすごく楽にしてくれました。
そこでいつもたみが羨ましがる同居犬のご飯をトッピングしてみました。
目ん玉飛び出るほど美味しい!!!
不憫です。
というわけで腎臓サポートだけでは食べないので、こうして通常食を混ぜてなんとか食べさせた時期もありますが、その後の検査結果は思わしくなく…。
初期の腎臓病と診断されてから1年半後の夏、何も手を施さなければ1ヶ月持つかどうか…と言われる状態になりました。
幸い獣医さんの処置と、同時に開始した皮下輸液のおかげで体調・食欲も戻り処方食を渋々食べるようになりましたが、やっぱり食事は大事です。
そして水分も大事です。
腎臓病の食事療法本格スタート
私は一念発起しました。
処方食をどうしても食べない&体調が悪くて食欲がない間は、人間の腎臓病の食事と犬の手作り食について勉強をして、どうにかたみの腎臓の負担にならない(?)手作り食を与えました。
例えば同じ鶏肉でも、犬のおやつなどによく使われるササミはリンが多く含まれているので別の部位にするとか、卵でも白身と黄身ではリンの量がまるで違いました。
当然、手作り食にするならば勉強も必要です。
犬の栄養学はもちろんですが、腎臓食となると腎臓病に適した栄養の知識も必要です。
犬の手作り食の本にはそう詳しくは載っていないので、私は腎臓病の人用の食品成分表も参考にしました。
ネットで調べられる食品の成分表は食品成分データベース、栄養andカロリー計算が便利です。
手作り食で体力が戻ってからは、処方食のみを与えるようにしました。
食事療法をしっかり頑張る!とはいえ無理やり食べさせるのではなく、病院で販売している処方食の他、獣医さんの許可を得て市販のフードメーカーが販売している腎臓ケア用の療法食(後述します)を取り寄せ、一通り試しました。
「偏食」=ワガママで食べないと思ってしまいがちですが、以前お世話になった獣医さんが
私の腎臓病の叔母が、進行するにつれて何を食べてもおいしくなくて段ボールをかじっているようだと話してたんだよね…
と教えてくれました。
犬猫もきっと同じで、病気になる前の若い頃の偏食と違って根気でどうにかなる問題ではなく、本人が嫌ではない、負担にならないご飯・方法を探して試そうと決めました。
食べてくれるフード、たみの性格と体質に合った食べさせ方(シリンジでの強制給餌≠お食事サービス)、たみの症状と身体に合うサプリに出会うまでは少し時間がかかりましたが、命の危機に陥ってから4ヶ月が経ち、食事は療法食のみ。
2.5kgまで落ちていた体重は3.1kgまで戻り、血液検査の結果は腎臓病と診断された頃よりも低く、正常値に近い数値で維持出来るようになりました。
これらの経験から、やはり食べてくれるなら専門家が計算し尽くした処方食・療法食がベストだと思います。
特にたんぱく質・リン・カリウム等、腎臓に配慮という点ではロイヤルカナンの腎臓サポートシリーズ(ドライ・ウェット・リキッド)がなんだかんだで一番。これを食べてくれるなら万々歳です。
ただ、ほとんどの子が「処方食食べない…」という状態に陥ります。
さぁ大変。でも諦めるのはまだ早い。
犬の腎不全・腎臓病向けの処方食・療法食
腎臓用の処方食・療法食は、動物病院で販売しているフード以外にも一般のフードメーカーが開発した腎臓用療法食や海外の動物病院で使用されている療法食をネット(一部の店舗)で購入することも可能です。
市販の療法食はどうしても動物病院の処方食よりは蛋白やリンが多かったり脂質が高かったりもしますが、通常食よりはずっと配慮されていて、実際たみも偏食で痩せてしまった時に食べてくれた数少ない市販の腎臓食「アニモンダ」を半年ほど与えたところ、処方食を食べなくて通常食を混ぜたり手作り食を与えていた時よりもずっと数値は安定しました。
なので獣医さんに勧められたフードを食べないからといって通常食を与えたり手作り食に切り替える前に、市販の腎臓用の療法食を試してみる価値は大いにあると思います。
中には「市販の腎臓食なんて…」と難色を示す獣医さんもいるかもしれませんが、病院のご飯を食べないなら仕方ないじゃないの。
たみの病院では、何を与えるのかをきちんと報告さえすればうるさくはいいません。
だってたみちゃんはそれで維持出来たから。
以下にドライフード(病院で買える処方食→市販の療法食)→ウェットフード(処方食→市販の療法食)の順にご紹介していきます。
実際に試した事がある商品はレビュー記事へのリンクを貼ってありますので、合わせてご確認ください。
腎臓病(腎不全)用の処方食・療法食【ドライフード】
これまで試した腎臓病向けの処方食・療法食のドライフードは以下の通りです。
食いつきに関しては個体差があると思いますが、療法食を色々試してもダメならトッピングなり次の手を考えると良いのかなと思います。
腎臓食と一口に言っても、メーカーによって成分が少しずつ違います。
脂質が大敵となる疾患(膵炎など)の既往がある場合は出来るだけ脂質が低い療法食を選んだり、カリウムの値が高い時はカリウムが少ない療法食、心臓病を併発している場合は心疾患にも対応している療法食にするなど対応していくと良いかなと思います。
後述しますが、療法食だけでコントロールが難しい場合はサプリメントの併用も重要です(かといって良さそうだから、ネットで勧められたからと闇雲に与えるのは禁物。
動物病院で取り扱っている処方食はサンプルの小袋を無料で貰えることが多いので、まずは獣医さんに聞いてみる事をおすすめします。
ロイヤルカナン腎臓サポート【動物病院処方】
たみがまず最初に動物病院で勧められたのはロイヤルカナン腎臓サポート。
Amazonや楽天でも購入出来る通常の腎臓サポートは粒が比較的大きくて、匂いもちょっと脂っぽいような…いかにも犬のドライフード!といった感じ。
1粒ずつおやつ代わりに与えるとまぁまぁ食べますが、ご飯としてはなかなか進まず…。
手作り食をトッピングしたり、処方食のウェットを混ぜたり。
一番小さい袋が1kgですが、動物病院にサンプルが用意されていることが多いので、獣医さんに頼んでみると良いと思います。
小粒の腎臓サポート小型犬用は病院か、ロイヤルカナンの療法食通販サイトで購入可能です。
腎臓サポートには普通の腎臓サポートの他に、「腎臓サポート セレクション」というフードもあります。
こちらは偏食になりがちな腎臓病の犬のために嗜好性を高める香りが配合されているそうです。
アレルギー体質の子には、「腎臓サポート+低分子プロテイン」
かかりつけの病院ではサンプルもありますし、継続して食べるなら販売もしています。
ロイヤルカナンの療法食の通販サイトでも動物病院コードを入力すれば購入可能なので、その辺りはかかりつけの病院で聞いてみてください。
成分の違いは本当に若干ですが、
たんぱく質:腎臓サポート>低分子プロテイン>セレクション
脂肪:低分子プロテイン>腎臓サポート>セレクション
リン:セレクション>低分子プロテイン>腎臓サポート
といった感じ。数字を見ると大差ないので、食べてくれるものを選べば良いと思います。
初期の腎臓病には「早期腎臓サポート」もあるので、今どの段階でどの療法食を選ぶべきかを担当医と相談すると良いと思います。
原材料・成分などのロイヤルカナン公式HPでご確認下さい。
かかりつけの動物病院でIDを教えてもらえればロイヤルカナンの療法食通販サイトで療法食を購入出来ます。
ヒルズ k/d【動物病院処方】
ロイヤルカナンと並び、動物病院での取扱いが多いヒルズの腎臓食は、k/d。
ロイヤルカナンと比べるとナトリウムの量が少なく、腎臓だけでなく心臓にも配慮されているので心臓も少し心配…という子は試してみても良いかもしれません。
k/dはたみはあまり食べなかったのですが、病院でサンプルを貰えると思うので試す価値はあると思います。
ドクターズケアキドニーケア【動物病院処方】
腎臓サポートを食べないという話をしたら、獣医さんが片っ端からサンプルをくれました。
そのうちのひとつがドクターズケア キドニーケア。
癖のないあっさりとした香りで、犬はこってりした香りが好きそうだけどどうかな?と思いましたが、よく食べてくれます。
粒は小さくサクサクした感じなので、小型犬でもOK。
同居の犬チヨはお腹が弱くてこれまでにどのフードも受け付けなかったのに、ドクターズケアの消化器用のフードはとても相性が良かったので、ドクターズケアシリーズは個人的になかなか良いフードだと思っています。
一般の通信販売は終了したとのことで、現在は動物病院または公式の通販サイトどうぶつ病院宅配便・動物ナビ(動物病院で発行される動物病院コードが必要)でのみ購入可能です。
サンプルは取扱いのある動物病院でもらえると思います。
キドニーケアもk/dと同様、ナトリウムが少なく、心疾患にも対応しています。
ペットライン ダイエティクス キドニーキープ【動物病院処方】
ペットライン(日清ペットフードから譲渡)からはダイエティクス キドニーキープ。
同社のドッグフードと比較すると、タンパク質は約3割低減、リンは約5割低減、ナトリウムは約4割低減だそうです。
同居猫とらじが猫用キドニーキープが好きでよく食べています。
通販は動物ナビで購入出来るようになりました(動物病院から発行される病院コードが必要)。
サニメド リーナル【動物病院処方】
サニメド犬用リーナルはかかりつけでは取り扱っていないのですが、購入出来る病院もそこそこ多そうな病院処方の療法食。
オランダのフードで、慢性腎臓病及び肝臓病の犬への給与を目的としています。
ビルバック 犬用 腎臓&リン制限【動物病院処方】
ビルバックからは腎機能のサポートが必要な犬のためにリンの含有量が調整された「犬用 腎臓&リン制限」が発売されました。
慢性腎臓病の他、慢性肝不全にも対応。
リン吸着剤(キトサン、炭酸カルシウム)も配合してあるとのこと。
カリナール・イパキチンなどと同じリン吸着成分ですね。
カルシウムの値が高めの子は獣医さんとよく相談の上で与えるかどうか検討する必要があるかもしれません。
スペシフィック 犬用 CKD【一部動物病院で取扱いあり】
かかりつけでは取り扱っていない様なのですが、一部の動物病院では処方食としての取扱いがあるのがスペシフィックCKD。
ベルギーの療法食で、腎不全、肝不全、心不全の犬に配慮された配合になっています。
腎臓病は心疾患を併発する事が多いので、両方をケア出来るフードは安心ですね。
他のフードと比べるとカリウムが若干多いので、高カリウムの子は他のご飯にした方がいい気がします。
以降は動物病院の処方食ではない市販の腎臓ケア用療法食(ドライ)です。
Vet Life(ベットライフ) 療法食 腎臓ケア【海外の動物病院専売商品】
「Vet Life腎臓ケア」は、腎臓病の合併症である全身性高血圧(初期の心不全)や、一時的な肝不全にも有効との事。
イタリアの動物病院専売商品でしたが、日本の動物病院でも入手できるようになりました(が、あまり見かけません)。
ブルーが終売になったので、その代替といった位置付けかもしれません。
取り扱いのある動物病院ならサンプルをもらえる…かな?
アニモンダ インテグラプロテクト腎臓ケア【一般療法食】
ドイツの療法食、アニモンダインテグラプロテクトシリーズからも腎臓ケアフードが販売されています。
若干脂質が高めなので膵炎の既往がある子やお腹が弱い子はトッピング程度にした方が良いかもしれません。
たみはアニモンダのウェットをよく食べていました。
フォルツァ10リナールアクティブ【一般療法食】
フォルツァ10リナールアクティブはイタリアのフード。
マウス耳ヤナギタンポポ、ハギ、アメリカンクランベリー、セイヨウタンポポ、ベアベリーなどの植物成分が配合しているのが特徴です。
お試しサイズにちょうどいい100gのテイスティングパックが売っているので、ストックしておくのに便利。
ナチュラルハーベスト キドニア【一般療法食】
ナチュラルハーベストにもキドニアという腎臓ケアフードが発売されています。
こちらも犬用スナックみたいなあっさりとした香り&小粒なので小型のシニア犬でもOK。
おやつ感覚でひと粒ずつ与えたら、おいしそうにパクパク食べてくれました。
100gのお試しサイズも売っています。
デイリースタイル腎臓サポート【一般療法食】
獣医さんが開発した国産療法食デイリースタイル腎臓サポートはドライフードの中では食いつきが抜群でした。
小粒なので歯がなくても食べられました。
カリウムなど一部成分の表記がない(企業秘密)のは腎臓食なのになんでかな?と思ったり、やっぱりフードメーカーほどの安心感には勝てない部分がありますが、色々試したけど食べないよー!っていう時には試してみても良いのではないかなと思います。
ハッピードッグ【一般療法食】
ハッピードッグからは2種類。
ひとつは慢性腎臓病中期に対応しているサノN。
もうひとつはVETリーナル(腎臓ケア)。
ふたつの違いはタンパク質の含有量で、サノNは12.5%以上、VETリーナルは15%以上。
VETとついてるのでリーナルの方が腎臓ケアっぽいですが、長期的に与えるとしたらサノNの方が良いのかなと思います。
VETリーナルはタンポポなどのハーブも含まれていて、急性腎不全にも対応しているそうです。
たみは小型の老犬&歯がないので試してはいませんが、ハッピーキャットの腎臓食を同居猫とらじが猫用をおいしく食べています。
Vetsolution(ベッツソリューション) 犬用 腎臓サポート【一般療法食】
イタリアの療法食、「Vetsolution 犬用 腎臓サポート」
グレインフリー、腎障害を遅らせる働きのあるポリフェノールを配合しています。
オメガ3脂肪酸が豊富に配合されているのも特徴です。
あんまり口コミを見ないので、最近日本で発売されたのかも。
ベッツワンベテリナリー 犬用 腎臓ケア 【一般療法食】
犬猫の療法食や医薬品の通販サイト「ペットゴー」から発売された療法食「ベッツワンベテリナリー 腎臓ケア」
試したことはありませんが、たんぱく質はそこまで低くなく、リンは療法食らしくそこそこ抑えてあるかな?といった印象。
まだそこまで積極的にたんぱく質を控えなくても良い腎臓病初期には良いかもしれません。
ベッツワンベテリナリー腎臓ケア猫用を食べた同居猫とらじは
超おいしい!
と言ってました。
yum yum yum!(ヤムヤムヤム)健康マネジメント腎臓
グリーンドッグのオリジナルフードyum yum yum!から、リン、ナトリウム、タンパク質の含有量を制限した腎臓病療法食「健康マネジメント腎臓」が発売されました。
たみ亡き後に迎えた後輩犬つるちゃんはyum yum yum!の総合栄養食が結構好きで、小さいパックを買ってお散歩のお供にしています。
こちらの健康マネジメント腎臓は水にふやけやすいとのことなので、流動食の材料としても使いやすそう。
味にもこだわっているようなので、他の療法食を食べてくれないわー…という子は試す価値があるかもしれません。
みらいのドッグフード特別療法食J(腎臓用)【一般療法食】
「みらいのドッグフード特別療法食J(腎臓用)
薬膳レシピということで、他のフードと比べると少し個性派。
腎臓食には珍しく脂質が低めです。
腎臓食と銘打っているもののそこまで低タンパク低リンな感じでもなく…私が使うかと言われたら(モニョモニョ
でもごく早期に腎機能の低下が見つかり、がっつりと低タンパク低リン食に移行する前段階なら選択肢のひとつとしてもいいのかなと思ったりもします。
私は使ったことがないので実際のところどうなのかは分かりません。
ちなみにこのリンクから購入すると、私に報酬が支払われます💰
POCHI(ポチ) 食事療法食 腎臓ケア
POCHIからも食事療法食腎臓ケアが発売。
低たんぱく低リン、心配な添加物不使用。こだわりの原材料で「おいしい療法食」を実現。
サイズは1kg、3kg、そして偏食さんに嬉しい50gの小袋もあります。
犬心「低たんぱくバランス」【一般療法食】
消化器ケアや皮膚サポートなど、これまでもいくつかの療法食を生み出してきた「犬心」シリーズからも腎臓病だけでなく脂質が原因となる膵炎や胆泥症などにも配慮された療法食「低たんぱくバランス」が発売されたそうです。
ただ、そこまでがっつりと腎臓食!といった印象ではないので、脂質がネックで腎臓食を与えられない子の選択肢のひとつにしても良いのかな?といったところ。
実際使ったことがないので何とも言えませんが、以前チヨが犬心の低脂肪食を試食した時の印象だとフード自体はつかみはOKな感じでした。
ドッグスタンス 腎臓ケア【一般療法食】
ドッグスタンスからは「腎臓・心臓サポート(ドライ)」「腎臓ケア(ウェット)」の2種類(ウェットがリニューアル予定とのことなのでこちらにまとめて記載します)。
たんぱく質・リン・ナトリウム・カルシウムを制限した療法食になっています。
初期~中期の食事療法が必要な犬に向けたものとのこと。
お試しの少量パックがあるのが助かりますね。
BOSCH【一般総合栄養食】
総合栄養食BOSCH(ボッシュ)からは2種類の低たんぱく・低リンフードが販売されています。
・ライフプロテクションセンシブルリナール&リダクション(たんぱく源が魚)
BLUE Natural Veterinary Diet【動物病院処方】※販売終了しました
ブルーバッファローの療法食は日本での販売を終了しました。
ユーカヌバKアシストは販売中止…
動物病院のサンプルで、ロイヤルカナン・キドニーケアと一緒にいただいたユーカヌバKアシストは、2017年3月末で製造・販売が中止になりました。
残念…。
腎臓病(腎不全)用の処方食・療法食【ウェットフード】
腎臓食はウェットフードも豊富です。
動物病院ではドライフードの小さなサンプルパックをいただくことが多いと思いますが、ロイヤルカナンやヒルズの缶詰も置いていると思うので、ドライのサンプルと一緒に1缶購入して試してみても良いかもしれません。
特にヒルズのシチュー缶は、開けた瞬間、飼い主もこれなら食べるかも!?とワクワクします。
でも食べないかもしれないのが腎臓病の仕様です。
たみは歯が一本もなくて食事自体がうまく出来ないので、ウェットフードを電動ミルで流動食状にしてシリンジで与えています。
ふやかしたドライも一緒に混ぜるとトロミが出ます。
歯がある犬さんでも嫌がらないならこの方法をとっても良いかもしれません。
腎臓病はとにかく水分をたくさん摂ってほしいので、水分摂取だけでも日頃からシリンジで飲ませる練習をしておくと後々助かると思います。
ちなみに「シリンジで飲ませる練習」って、犬が飲む練習というよりはその子の特徴を掴んで飼い主が上手に飲ませる練習のことです。
どうして飲んでくれないの!!!なんて怒ったらあとで後悔するかな…。
それでは動物病院で購入出来る処方食から順番にご紹介します。
ロイヤルカナン 腎臓サポート缶【動物病院処方】
現在たみはシリンジでお食事サービスをしていて好き嫌いのしようがないので、このロイヤルカナン腎臓サポートウェットを与えています。
そのまま与えていた時は全然食べなかったり、ある日突然食べたり。
腎臓の数値が高くなると食べたくなくなるフードなのかも…と思ったりします。
なので点滴などで体調を整えてある程度数値が下がったタイミングで与えてみると食べるかも。
腎臓サポートを与え始めてから数値がすごく安定しているので、食べてくれるのであればウェットフードの中ではこれを選びたいかなと思います。
ヒルズ k/d シチュー缶【動物病院処方】
ヒルズk/dのシチュー缶はとても美味しそうな缶詰。
えー!これが処方食?と驚きました。
お肉とお野菜がゴロゴロ入っていて美味しそう。
流動食を始める前はシチュー缶を喜んで食べていた時期もあるので、試す価値ありです。
同じく腎臓病の同居猫とらじはk/dのシチュー缶をメインにしていて、数値は安定しています。
ヒルズ k/d缶【動物病院処方】
お次はシチュー缶ではないk/dの缶詰、腎臓用ウェットフードk/dウェット。
カマボコみたいなプルンとした質感でこれは食べるのか?と思いましたが、よく食べました(すぐ飽きたけど)。
シチュー缶と違い、370gの大きいサイズしかないのでパピヨンの年寄り1匹には少し与えづらいな…と思いましたが、食べてくれるなら良いご飯です。
スペシフィック(SPECIFIC)CKW【一部動物病院で取扱いあり】
デンマークの腎臓療法食、スペシフィックCKW。
腎臓だけでなく肝臓・心疾患にも配慮されたウェットフードです。
以降は動物病院の処方食ではない市販の腎臓ケア用療法食です。
ハッピードッグ VETリーナル(腎臓ケア)
ハッピードッグのウェットフード「VETリーナル(腎臓ケア)」。
たみの闘病中はなかったハッピードッグのウェットフード、試してみたかったなぁ(ってのが今はたくさんあります)。
400gで価格もちょとお高めですが、試す価値はあると思います。
ナチュラルハーベスト やさしいごはん 腎臓ケア
ナチュラルハーベストからAAFCO栄養基準に適合しているペーストタイプのウェットフード「やさしいごはん 腎臓ケア」(タンパク質:4.8%、リン:0.08%、ナトリウム:0.05%)
たみが生きてる時に発売されていたら絶対買ってたなぁと思います。
ペーストなのでお年寄りにも良さそう。
AAFCO栄養基準に適合しているのでこのウェットだけでもトッピングとしても使えます。
アニモンダ ニーレン 腎臓ケア【一般療法食】
たみが長期間食べていたのは、ドイツのフードメーカーのアニモンダニーレン。
150gのアルミパックと400gの缶詰があり、それぞれ少しだけ配合と成分が違います。
たみは150gの鶏と豚を交互に与え、長期間にわたり数値が安定していました。
他の子の話を聞いても、「アニモンダなら食べてくれる」という声が多い反面、他の腎臓食と比べると脂質がとても多いので、腎臓食だけでなく低脂肪食も勧められている子は少し注意が必要かもしれません。
POCHI(ポチ)腎臓ケアウェット【一般療法食】
POCHI(ポチ)からはパウチのウェットフード。
80gと少なめなので、ドライにトッピングしたりぬるま湯を足すなどして水分補給にも使えると思います。
フォルツァ10リナールアクティウェット【一般療法食】
フォルツァ10のウェットフード「リナールアクティウェット」はイタリアのドッグフード。
上でご紹介したフォルツァ10のドライフードと同様、タンポポやベリーなど腎臓に良いとされているハーブ類が配合されているのが特徴です。
食いつきはなかなかいい感じ。
1パックが小さいので、メインの食事にするよりはドライフードのトッピングとしての利用が便利そうです。
腎臓いたわりごはん【一般療法食】
サプリメントを販売しているお店Ant.Packから「腎臓いたわりごはん」が発売されました。
腎臓に配慮した栄養素でありながらそれ以外は総合栄養食の栄養基準を満たしているとのこと。
人が食べるものと同じ素材を使用し、人用の食品工場で製造しているという点も安心です。
カロリーが低めなので、トッピングに適しています。
メディムース犬用腎臓サポート【一般療法食】
「メディムース犬用腎臓サポート」はたみの闘病後に発売されたので試していませんが、柔らかくて流動食にも加工しやすそう。
ピルポケット的な投薬補助おやつ「メディボール」の販売会社。
猫用メディボールは同居猫とらじとテツ子の大好物です。
ビオピュア(BIOPUR)ニーレン・エアクランクンゲン【一般療法食】
これよりも高い療法食は他にもまだ存在するのだろうか。
これまで試した中で最もお高いウェットフード、ビオピュア(BIOPUR)腎臓ケア用ニーレン・エアクランクンゲン。
名前も難しい。
お高いだけあって食いつきはバツグンでした。
脂質が低いので膵炎を併発している子にも良さそうですね。
ヘルマン マトン・ディッシュ キドニーフィット
「ヘルマン マトン・ディッシュ キドニーフィット」は、レトルトのパウチのフード。
トッピングに使えるので、ドライフードをなかなか食べてくれない時に混ぜたり、少量のヘルマンに薬を混ぜて与えるのにも使えます。
たみはヘルマン マトン・ディッシュ キドニーフィットのリニューアル前のヘルマン ビオ センシティブ キドニー・フィットを試しましたが、反応はいまいちだったかな…。
好みは色々だし、食べなかったとしてもドライフードみたいに大量の余って困るということもないので1パック試してみても良いと思います。
テラカニス アリベット ロープロテイン
ちょっとお高めで上質のドッグフードテラカニスのアリベットシリーズから、「ロープロテイン」
たみの闘病中にはなかったので試したことはありませんが、テラカニスの普通のシリーズが好きで食欲が落ちてからもこれなら食べられると言っていたお友達がいました。
400gと大きめの缶なのでトッピングに使う場合は小分けにして冷凍するなど工夫して無駄なく使えるといいですね。
たみにも食べさせてあげたかったなぁ。
淡路アグリファーム 腎臓ケア 鶏肉・猪肉のフレッシュフード
「腎臓ケア 鶏肉のフレッシュフード」「腎臓ケア 猪肉のフレッシュフード」は低リンのトッピング食。
療法食にチョイ足ししてあげると喜ぶかもしれません。
腎臓用流動食
寝たきりで自力での食事が難しくなった時に使うイメージのある流動食ですが、そんなことはありません。
体重・体力維持にすごく役立つので早い段階から使うのも全然アリ!
高カロリーなので、食が進まない時、少しでも食べてくれるなら、その少しのご飯に流動食を混ぜれば少量の食事でも充分なカロリーを摂取出来ます。
この方法は、偏食がひどく激痩せしてしまった時にかかりつけの動物病院の院長先生に教えてもらいました。
自分で食べられない時は、シリンジもあると便利です。
たみは寝たきりでもないし体調が落ち着いて元気にしていますが、歯がないのと偏食でご飯をちゃんと食べないので、↓このようにシリンジで規定量をばっちり与えています。
小型犬におすすめのシリンジは1本あたり10mlのワンラック注入器(一食あたり60ml飲ませるなら6本とか、数本用意しておくと便利)。
一度にそれなりにたくさん飲むなら、30ml~50mlの横口シリンジにシリコンチューブをつけるとワンラック注入器っぽくなります(同居猫とらじはこの方法でお食事サービス中)。
シリンジでの給餌が出来るなら、キドナ・腎臓サポートリキッドでなくても、たみみたいにウェットフードをお湯で溶いたりミキサーで流動食状にして与えても良いですね。
痩せ気味のたみは、ウェットフードに高栄養の流動食を混ぜてカロリーアップを図っています。
療法食として手に入る腎臓用流動食は、粉末で取扱いが楽な森乳サンワールドチューブダイエットキドナと、液体でボトルを開けたらさっと与えられるロイヤルカナン腎臓サポートリキッドの2種類。
森乳サンワールド チューブダイエットキドナ【動物病院処方】
「森乳サンワールドチューブダイエットキドナ」は、粉末なのでとても取扱いが楽。
使う分だけお湯で溶いて使えます。
お湯に溶かずにご飯に混ぜてカロリーアップを図ることも可能。
たみは何故か途中からキドナが体質に合わなくなり与えると吐いてしまったのですが、問題なく消化出来る子にはおすすめの商品です。
ロイヤルカナン腎臓サポートリキッド【動物病院処方】
「ロイヤルカナン腎臓サポートリキッド」はボトルから出してそのまま使える液状の流動食。
賞味期限が開封後48時間と短いので、少量を使いたい場合は冷凍しておくと良いです。
腎臓に配慮したおやつ
食欲はあるのに腎臓食を嫌がってどうしても食べてくれない時はおやつを少し与えると、「食べる」という行動のスイッチが入り、腎臓食を食べてくれることがあります。
たみに用意しているのは、アニウェルすっきりボーロ。
1日に与える量はごく少ないのでそこまでこだわらなくても良いとは思いますが、念には念を。
大好きでよく食べてくれます。腎臓の数値にも問題ありません。
「ちゅーる」からは低リン低ナトリウムのエネルギーちゅーる。
腎臓病でも食べられるおやつの紹介は以下の記事にまとめてあります。
水分補給
腎臓病の犬にとても重要なのが水分補給。
現在たみは脱水予防のために週に2回皮下補液をしています。
点滴後はとても元気になり、食欲も出るので有効な手段のひとつであることは間違いありません。
ただ、皮下補液で補える水分と経口補水で補える水分はやはり若干の違いがある(細胞外液、細胞内液の違い)ので、口から飲めるなら是非どんどん飲ませたいところ。
そして自分で飲まないならばとたみはシリンジで水を飲ませています。
1回あたり20~30mlずつ複数回に分けて。
1日のトータルは、食事に含まれる水分と合わせると3kgちょっとのたみに250mlくらい。
お水だけだと咽てしまう場合は、思いきってご飯を流動食にしてしまえばそこから水分をがっつり補給することも出来ます(同居猫とらじはこの方式)。
この事を獣医さんに話したら、
それだけの水分を摂れているということは皮下輸液と同じことです。
そうやってこまめに水を飲ませてあげているからここまで安定しているのかもしれない。
と言っていました。
一日に何度も飲ませるので何となく普通の浄水器の水は気が引けて、今は水素水を飲ませています。
水素水の効果については特に考えたことはありませんが、ただ水道水が不安だったので。
同居猫とらじのお食事サービスや犬猫の備蓄品としては、ミネラルゼロの赤ちゃんの純水やクリンスイの純水を使っています。
たみ用の水素水は特にメーカーはこだわらず、その時にセールをしていたり初回割引が効くお店で購入。
主に「ペットの水素水 甦り水」「スパペッツ」「ペットの水素水 ゼロミネラル」を楽天で購入しています。
水素水をお皿に出しただけで飲まなかったらもったいないので、シリンジで与えた方が良いです。
介護の場面でシリンジが必要になることがいつか出てくると思うので、元気なうちに練習しておいた方が良いと思いますが、私はたみにはシリンジでの強制給餌・強制給水を行えますが、激しい同居犬チヨ(17歳)には多分無理です(笑)
毎日飲ませるなら水が良いですが、一時的に少しでも水を飲ませたい場合はペット用のポカリスエットのようなペットスエットも売っています。
すぐには使わないけれど、いざという時のために準備しておきたい場合は粉末を水に溶かして与えるタイプのアクアコールもあります。
今はペットスエットではなくアクアコールを常備しています。
ちなみにペットスエットゼリーは全力で無視されました(笑)
「ビオ ベテリナリードッグ」は液状の栄養補助食品。
水分も摂れるし、栄養の足しにもなるので食欲がない時にも使えます。
腎不全治療におけるサプリメントの重要性
腎臓病の治療において、投薬・点滴などの治療・家庭での食事療法&水分補給と並んでとても重要なのがサプリメントの存在。
私は元々犬にサプリ?そんなん業者のお金儲けの手段でしょう…と否定的でしたが、腎臓病の治療をする上では絶対にサプリメントは使った方が良いです。
例えば、機能が低下した腎臓で濾過しきれなくなった老廃物を腸でどうにか処理する必要があります。
そうしないと毒素が体に溜まってしまうから。
でも今まで腎臓で処理していたものをいきなり腸で処理するというのは自力では無理です。
そのためにサプリメントで老廃物の処理を手伝ってあげます。
また、リンの数値の上昇を防ぐためには、食事に含まれるリンを吸着するサプリメントや薬が必要になります。
貧血を防ぐために鉄やビタミンのサプリもたみにはとても良かったと思います。
腎臓病治療にはとても良いサプリメントがあります。
是非獣医さんと相談の上、使ってみて下さい。
また、これまでにご紹介した腎臓食はどうしても食べない、手作り食を続けたいけれど不安な方も是非食事でフォローしきれない分をサプリメントで補ってあげてほしいと思います。
犬の腎臓病に使われるサプリメントについては以下の記事にまとめましたので参考までにご覧ください。
あと猫用ですがとてもとても参考になる獣医さんが書いた腎臓病の本、「猫の腎臓病がわかる本」、おすすめです。
私のブログよりこの本を読みましょう。